相談援助の技法は通用しない!?認知症の人の話を聴く時に気をつけなければならないこと

相談援助技術として、話を聴く技術を紹介しましたが、実は認知症の方にはやらない方がいい技法もあります。

それは、相手との話の食い違いを防ぐ方法でお伝えした『相手の話の内容を確認する方法』です。

「こういうことですよね?」と確認しても、「え?違う違う!そうじゃない。誰がそんなこと言ったの!?」となってしまうことがあるからです。

認知症の深まった方とお話をしていると、その話の食い違いだらけに困惑することもあります。

「え・・・さっき自分でそう言ってたじゃないですか?」(もう、ようわからん。。。)となってしまう。

 

認知症の方は、『ただただ、誰かに話を聴いてもらいたい』という時があるのです。

 

自分の不安な気持ちをうまく言葉にできなくて、さまざまな話に絡めていろんなことを言ってくる。

体調不良を訴えてきたかと思えば、人の悪口になったり、過去の出来事の話になったり、作り話になったり・・・

結局何が言いたかったの??ということはよくあることだと思います。

だけど、認知症の方が一番伝えたいことは、言葉や話の内容ではなく、感情

不安、さみしさ、悲しさ、そういった感情をわかってほしくて、必死に職員をつかまえては訴えてくる。

だから、その感情に向き合っていかなければ、支離滅裂な話や訴えはおさまるどころか加速していきます。

 

相手の話の内容を整理しようと思っても、「何ってんのよ?(怒)」と怒られてしまうこともあるのです。

「何言ってんの?(笑)」と言いたくなるのはこっちの方なのですが。。。

 

だから、話の内容を理解しようと努めるよりも、この話を通して、本当はどんな感情を抱いているのだろう?という視点で話を聴く方がいいです。

今どういった感情をもっているから、こういう話をするのか?を考えた方が、相手の言いたいこと(気持ち)は伝わりやすく、その方が安心してもらいやすいです。

 

認知症の方には、ただただ同調して話を聴く。

「うん、うん。そうですか、それは大変でしたね。何か私にできることがありますか?」

 

『私にできることがありますか?』

『私にお手伝いできることがあれば、おっしゃってくださいね。』

 

こういった言葉をかけることで、『私はあなたの味方だ』というメッセージを伝えます。

「味方ですよ」という直接的な伝え方をしなくても、十分相手に伝わります。

それは、

「何か困ったことがあったときには、この人に頼ればいい」という安心感。

「自分の気持ちをわかってくれる人がいて良かった」という安心感。

そういった、ちょっとホッとしたという感情が、居心地の良さにつながったり、穏やかさにつながっていきます。

「何か私にできることがありますか?」と聞くと、大抵は「いいえ、別にないよ。大丈夫よ。」と言われるのですが、明らかに表情は切羽詰ったものから次第に和らいでいくのがわかります。

しまいには「何が言いたかったのか自分でもわからなくなった (╯•ω•╰)  また来るわ(笑)」となることもあります。

 

認知症の方の話を聴く上で一番大切なのは、話の内容を把握することよりも、その裏に隠された感情を知ることなのです。

 

ただ注意点として、「この人は認知症だから・・・」という判断で、話の聴き方を変えるのではなく、話を聴きながら、どのような聴き方がその人に適しているのかを探り、修正しながら聴くようにするといいでしょう。

本当に実際の問題解決を求めて話をされる場合もあるので、そのときは、何が問題なのか、何を問題と感じているのかを整理する必要もあります。

相手の話は真剣に聴き、できることがあれば協力するといった姿勢が、信頼関係の形成に大きく影響していくといえます。



  
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