【偏食】ごはんを食べずにお菓子ばかり食べる認知症の人への接し方

認知症高齢者の中には、ごはんは食べようとしないのに、甘いものばかり食べたがるという方がいらっしゃいます。

例えば、食事をすすめても一向に箸をつけようとしない。
だけど、おまんじゅうなら食べられる。
とりあえずはおまんじゅうを食べてもらっているけれど、たびたび「まんじゅうくれ!」と要求がある。

このような方に、介護者は、
こんなにおまんじゅうばかり食べてていいのかな・・・。
甘いものばかり食べているから栄養状態が心配・・・。
と頭を悩ませることがあります。

そしておまんじゅうを食べることをやめさせて、きちんとご飯を食べられるようにしたいと考えがちです。

でも、「ごはん食べなきゃだめじゃない!」と言ったところで、食べてるくれることはないですよね。。。
「いらない。」で終わってしまいます。

お菓子ばかり食べる認知症の人への接し方

まずは、自分(介護者の)気持ちの持ち方を少し変えてみましょう。

甘いものばかり食べるということを大きな問題として考えてしまいがちです。

でも、

・・・おまんじゅうが食べられるなんてすばらしいことじゃないですか??

おまんじゅうばっかり食べていいのか?とか、
栄養が・・・とか、心配になったり不安になったりするかもしれません。

でも、大丈夫です。

「食べることができて当たり前」というふうに食べることを前提に考えると、食が偏ることは問題に思えますが、食べられるか食べられないかという視点で考えると、お菓子だろうが何だろうが、何かを食べることができるというのは、素晴らしいことなんです。

高齢者は、ちょっとしたことがきっかけで、ごはんが食べられなくなってしまいます。
本当に些細なことがきっかけで、生死の問題に発展することがあるんです。

今は食べられるものを食べてもらってよいです。
それがおまんじゅうだろうとスナック菓子だろうと。

食べないよりは食べる方が絶対いい!と思っています。
ご飯を食べない認知症の人への接し方という記事でもお話しましたが、「食べない」「食事を拒む」ということは、様々な原因があるにせよ、生きることを拒んでいることのようにも思えます。

【拒食】ごはんを食べない認知症の人への接し方

2018年1月7日

限られた食品でも食べてくれるということは、まだ生きようとしてくれているのだと思ってほしいです。

ご飯は食べないのにお菓子は食べるなんてわがままだ、と思うかもしれません。
でもご本人はもしかすると無意識のうちに半分くらいは、もう生きなくてもいいかなと思っているのかもしれません。
ただ甘いものは好きだから、かろうじてこれだけは食べよう、という思いなのかもしれません。

「お菓子しか食べない。困ったわ~」ではなく、「お菓子でも食べてくれるんだからありがたい」と思って、食べられるものを食べてもらったらいいのではないでしょうか。

ただ、主治医の先生に現状を相談することは絶対に必要です。
あまりにも栄養が摂れていないようであれば、点滴が必要かもしれませんし、栄養補助食品を処方してもらった方がいいかもしれません。
ドリンクタイプの栄養補助食品であれば、コーヒー味やバニラ味などがあるので、お菓子を食べるときに一緒に飲んでもらうこともできると思います。

逆に、甘いものを食べ過ぎて血糖値が上がってしまい、糖尿の傾向になる場合もあります。
ごはんを食べずにお菓子を食べる場合は、当面は食べられるものを食べてもらえばいいと思いますが、ごはんを食べた上にお菓子をたくさん食べられる場合は、何かしらの対策が必要かもしれません。

下記はお菓子ではなく、ごはんを食べ過ぎる方に対しての記事ですが、よかったらご参考ください。

【過食】ごはんを食べ過ぎる認知症の人への接し方

2018年1月6日

いずれにしても、主治医の先生と連携して、体調の管理をしていくことが望ましいです。

今のご本人の健康状態を、まずは確認するということ。

カロリーが足りていなくて、低栄養状態にあるのか、それとも、甘いものを摂りすぎて、高血糖状態にあるのか・・・。
健康状態として、お菓子を食べることがご本人にどのような影響があるのかを知ることが大切です。

その結果によって、お菓子でもなんでも、今は食べられるものを食べてもらえばいいということになるかもしれませんし、お菓子は控えた方がいいということになるかもしれません。

食べられない方に対しては、食べられるものを増やしていく

「お菓子以外でも何か食べられるものがあるかもしれない!」と探してみることも大切です。

例えば甘いものが好きなのであれば、おかずでも甘いもの(さつまいもやかぼちゃの煮物など)であれば食べられるかもしれません。

スナック菓子が好きなら、お野菜で野菜チップスを作ったり、ほくほくのポテトフライなどを作ってみてもいいかもしれません。

おまんじゅうが好きなら、あんまんから肉まん、野菜まんなどに発展させていけるかもしれません。
サンドイッチなど、食べやすいものなら食べていただけることもあります。

まずはおやつ感覚で食べられるものから、工夫して食事や栄養をとることにつなげていってみてはいかがでしょうか。

何だったら食べられるかな?と考えて、行動してみるといろんな発見があったり、ご本人にも変化がみられるかもしれませんよ。

カロリーや糖分の過剰摂取が気になる方には

「急に食べてはダメ!」というのは、ご本人にとってはとても酷だと思います。
それこそ生きていてもしょうがない・・・。となってしまうかもしれません。

ご本人がお菓子を食べることを我慢してでも、健康になりたい!とか、生きていたい!と思っているのであれば、容易にお菓子を止めさせることはできると思うのですが、お菓子を食べることがご本人の楽しみなのであれば、カロリーや糖分の抑えられたお菓子なども売られていますので、そういったものを利用しながら、糖分のコントロールなどをしていってはいかがでしょうか。

また、お菓子を食べること以外でも、何か楽しみとなることが見つかるといいですね。
お菓子を食べなくても、心が満足するようなことが見つかると、お菓子がなくても生活が安定するかもしれませんよ。

どんな症状にも共通している!?認知症の周辺症状(BPSD)へのケア

2017年11月2日



  
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