認知症ケアに活かすノンバーバルコミュニケーション

認知症ケアを行う上でも、ノンバーバルコミュニケーションはとても大きな役割をはたします。
(ノンバーバルコミュニケーションについて詳しく知りたい方はこちら⇒ノンバーバルコミュニケーションを身につけると人間関係がコントロールできる!?

認知症ケアの優れた技法としてテレビでも紹介されていたユマニチュード、またバリデーションでもノンバーバルコミュニケーションの重要性が伝えられています。

ユマニチュードの4つの柱
『見る』
『話す』
『触れる』
『立つ』
これらすべてにノンバーバルコミュニケーションが深く関係しています。

気になる方はこちらの本をどうぞ
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バリデーションで使われているノンバーバルコミュニケーションの技術
『ミラーリング』
『アイコンタクト』
『タッチング』
『音楽を使う』
『はっきりとした低い温かい声』
『あいまいな表現』
『行動とニーズ(欲求)を結びつける』
『共感した感情を言語化する』

バリデーションについて詳しく知りたい方はこちらの本をどうぞ
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アイコンタクトの方法

認知症ケアでは、視線を交わすアイコンタクトがとても重要です。

高齢者の方は、老化に伴い目が見えにくくなるだけでなく、病気で視野が狭くなったり、認知機能の低下により、近くに人がいても認識できないこともあります。

ですから、相手の見える範囲(視界)に入るということがとても大切になってきます。

相手の視界に入るといっても、いきなり横からスッと顔を出したりするととても驚かれるので、ある程度距離をとって正面からゆっくり近づいてくるのがわかるようにしましょう。

相手の正面に位置することで、突然驚かせて、不安や恐怖感を与えたり、混乱させたりすることを防ぐことができます。

正面から目線を合わせて、見つめる。

目を見ている時に何を考えるかというと、

・相手の気持ちを知ろうとする
・相手の気持ちに共感しようとする

「あなたのことを受け入れていますよ」
「あなたに寄り添いますよ」
「私でよければ力になりますよ」

ということを考えながら見つめると、自然と温かい眼差しになります。

 

大勢の人の中にいると緊張してしまう認知症の方の事例

介護施設に入居しておられる方で、ご自分の部屋にいるときには穏やかなのに、リビングへ出てくると「どうしたらいい?」としきりに職員に聞いてくる方がいました。

職員は、初めは丁寧に応えているのですが、何度も何度も聞いてくるので、そのうち言葉を発することさえ疲れてしまいました。
「どうしたらいい?」と聞かれないように、あえて目を伏せて目線を合わせないようにしていた人もいます。

しかし、むしろその方との関わりを多くもつようにしました。

近づいて視界に入るだけでなく、あえて遠くからでも目を合わせて、目が合うと優しく手を振ってみたり、ニコッと笑いかけたり、「どうしたらいい?ここにいていいの?」という大声での問いかけに、「いいですよ」と言葉で伝える代わりに、微笑んでゆっくりうなずく。

何度も何度も言葉を発して返事をすることに疲れてしまった職員に、ただうなずくだけでいいから、何も言わなくていいから、反応してあげてほしいとお願いしたところ、
後日その職員から、「目を合わせて微笑んだりうなずいたりするだけで、言葉のやりとりをするよりも、その方と通じ合えた気がする。」という感想をもらいました。

その職員は続けてこう語ります。
「言葉でいくら伝えても伝わらない感じがして、何度も伝えることに疲れていた。たぶんうんざりした気持ちが表情とか声の強さに出ていたと思う。だから余計に相手も不安になっていたのかもしれない。
ただうなずくだけで言葉を発しなくていいのも、自分としても楽だったし、自分の笑った顔を見てくれたことで安心してくたのかなと思う。」
(「どうしたらいい?」と聞かれることが少なくなっていった)

四六時中、職員がそばにいなくても、少しずつ距離を開けても大丈夫になり、その方は次第に穏やかになっていきました。
物理的な距離があっても、つながっているという感覚をもってもらうことで、誰かがそばにいなくても不安ではなくなってきたのです。

 

認知症の人に伝えるメッセージ

「私はここにいますよ」
「いつもあなたの味方ですよ」
「安心していいですよ」
という気持ちを、言葉ではなく、表情や態度、行動で示す。

そうすると、言葉で伝えるよりもはるかに大きな情報を受け取ってもらうことができます。
その結果、安心感や充足感を感じてもらうことができます。

認知症の特に初期の方は、人の言動、表情、行動にとても敏感になる傾向があります。

「自分が何か間違った行動をしていないかな」という不安とともに、「自分は人からどのように見られているのか?」「バカにされているのではないか?」ということを気にされることが多く「この場に頼れる人がいるか?」「自分の味方になってくれる人は誰か?」を常に探しておられるように感じます。

日頃、認知症の方にどのような態度で接しているのかを振り返ってみましょう。
言葉ではいくら敬語を使っていても、冷たい態度だと感じる接し方もあるからです。

言葉以上に大切なのは、表情や眼差し、声のトーンや大きさ、しぐさといった、姿勢や態度です。

相手と目を合わせる
見つめ合う
言葉を伝える(優しくゆっくりと、低く温かい声で)
優しく触れる

言語を理解することで得る情報よりも、感覚を通して得た情報の方が心に残りやすく、気持ちがいい感覚、温かい感覚は心に安心感をもたらします。



  
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