認知症にはどんな症状がある?中核症状と周辺症状(BPSD)の違いって何??

認知症の症状

認知症の症状と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは『物忘れ』ではないでしょうか。

認知症は、物事を忘れていく病気です。
しかし、認知症の症状は物忘れだけにとどまらず、様々なものがあります。

時間がわからなくなったり、人がわからなくなったり・・・
場所がわからなくなくなって家に帰れなくなったり・・・
同じ話を何度もしたり、同じ質問を何度もしたり・・・

『忘れる』から状況が理解できなくなったり、今までできていたことができなくなるといった印象が強いかもしれません。

中核症状と周辺症状(BPSD)の違い

認知症には回復が難しい症状と、場合によっては回復する症状があります。

その二つはどのように分けられるのかというと、、、

治りにくい症状というのは、脳の細胞が壊れてしまうことで起こる知的機能の低下を伴う症状です。

つまり、物忘れや判断能力の低下などですね。

 

一方回復する可能性が高い症状というのは、物忘れなどに伴って生じる不安や孤独感、葛藤などが原因で起こる徘徊や異食などです。

先を中核症状、後を周辺症状(BPSD)と言います。

周辺症状は、昨今「BPSD」と言われるようになりました。BPSDは「認知症に伴う行動と心理症状」を表わす英語の「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の頭文字を取った略語です。

◎認知症の中核となる症状(中核症状)
・物忘れ【認知機能の低下】
・時間や場所、人がわからなくなる【見当識障害】
・動作の仕方がわからなくなる【失行】
・見えているのに見えていない(認知できていない)【失認】
・理解・判断力の低下
・先を見通して順序立てて行動ができなくなる【実行機能障害】
例えば買い物や料理など
・感情表現の変化
脳が障害を負った場所によっては、反社会的な行動をとってしまったり、理性がきかなくなったり、性格が変わってしまったかのように思えることもあります。

↑これらは中核症状と呼ばれ、主に知的機能の低下によって起こるものです。
なぜ知的機能の低下が起こるのかというと、病気で脳が委縮したり、脳の細胞が死んでしまったりするからです。

脳細胞に損傷が起こると、記憶力や判断力の低下はほとんどの人に見られる症状ですが、初めから全ての症状が現れるわけではありません。
認知症の進行具合や、脳のどの部分が損傷を受けたかによっては症状が異なることもあり、個人差があります。

一方、認知症の人でも症状が出る人と出ない人がいるのが、周辺症状(BPSD)と呼ばれるものです。
BPSDは中核症状が元で不安や恐怖、さみしさなどを感じることから起こる精神的な病気の症状と言えます。
その方を取り巻く環境や人間関係、もともとの性格(物事に対しての捉え方)などが影響して、症状が現れると考えられています。

◎周辺症状(BPSD)
・徘徊
・異食
・興奮(脳の機能障害により起こる場合もある)
・暴力(脳の機能障害により起こる場合もある)
・無反応(脳の機能障害により起こる場合もある)
・物集め
・物取られ妄想
・幻覚
・過食
・拒食

また、元気がなくなったり意欲がなくなったりと心理的な変化なども見られます。

上記でもお伝えした通り、中核症状である記憶や判断力の低下は認知症と診断された人に共通して見られる症状です。
一方、BPSDは認知症の人でも症状の出る人と出ない人がいます。

 

認知症の症状で、介護者が大変な思いをしているのは主にBPSDです。

物事を忘れていったり理解ができなくなっても、人の言うことを素直に受け入れ、他者のサポートを得ながら穏やかに暮らしている人がいます。
2分前のことでも覚えていないのに、全く生活に支障がないかのように暮らしている人がいます。

でも一方で、介護者のことが受け入れられず、拒否をしたり、家から飛び出していったり、ご本人も介護者も葛藤に苦しんでいる人たちもたくさんいます。

BPSDが軽減できれば、ご本人も介護者も精神的な苦痛から開放されます。
認知症であっても、日常生活をより普通に送りやすくなります。

前出にもありますが、認知症の症状として中核症状は回復が難しいのですが、BPSDは回復の見込みがあります。

生活環境や周りの人たちの関わり方次第では症状が軽減していくと言われています。



  
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