申し送りやミーティングをしない介護施設の情報共有の方法とは?

介護の入居施設では、毎日朝と夕方に夜間帯と日勤帯の出来事を伝え合う「申し送り」を行います。

ところがこの申し送り、必要以上に時間がかかってしまったり、申し送りをした割には職員間での情報の共有があまりできていないなどの問題点を抱えてしまうことも多いのです。

そんななかで、申し送りをしないという介護施設も存在します。

申し送りにかかる時間を短縮できたり、申し送り自体をなくすことができれば、その分ご利用者と関わる時間に充てたり、別の仕事をする時間に充てることできます。

申し送りは職員間での情報共有のためにとても大切なものですが、あえてそういった時間をとらなくても情報の共有ができるというのは、とても理想的ですよね。

申し送りにかかる時間はどれくらい?

施設の規模にもよりますが、大きな施設では、代表者のみが集まる全体の申し送りと、各事業所やフロアごとに集まる申し送りと、2段階にわかれて申し送りを行います。

全体の申し送りの場合は、短時間で終わることが多いのですが、自分の持ち場(事業所やフロア)に帰ってから行う申し送りは、やたらと時間がかかってしまうことがあります。

申し送りにかかる時間は、早いところでは、5~15分程度で終わる(終わらせる)ところもあれば、毎回30以上かかってしまうところもあります。

ご利用者の心身の状態によって、話す内容も量も大きく変わるので、日によって申し送りにかかる時間は変わります。
でも毎回、必要以上にだらだらと長引いてしまう・・・となると、何か改善が必要かもしれませんね。

「申し送り」という時間を設けていない介護施設は、どのような工夫をされているのでしょうか?

申し送りをしない介護施設の情報共有の方法とは?

・ノートや介護記録、日誌を活用し、読んで把握するという方法をとっている
口頭で伝え合うのではなく、書く、そして読む、ということで情報の共有を行っています。

よくノートの活用は、書き忘れていたとか、書いてあっても読んでいないとか、読んだはずなのに記憶にない・・・などの問題点を上げられることも多いのですが、この方法がうまく機能しているということは、書くこと、そして、読んで確認することに対して、それぞれが責任もって行っているということですね。

・勤務中に何かあればその都度付箋のメモ用紙に記入して、ボードに貼っていき、職員はこまめにそれを確認する
ノートや日誌などは、出勤したときや、仕事が一段落して記録を行うときや、退勤する直前に確認したりすることが多いのですが、付箋に書いて貼っていくという方法をとっているところは、スタッフルームに寄るたびに確認する(目につく)ようにするなど、リアルタイムで情報が得られるように工夫されています。
最終的にその情報は、ノートに貼られたりして整理され、当日出勤者でない人も確認できるようにされています。

申し送りをしているが、出勤者みんなが集まって行うという方法はとっていない施設

・出勤者全員が集まるような申し送りではなく、出勤するごとに一人ずつ伝え合う
夜勤者⇒早出
早出⇒日勤
日勤⇒遅出
遅出⇒夜勤者
という形で、必要最低限の重要な情報のみを端的に伝える。

全体的に一旦、仕事の手を止めてみんなで集まるのではなく、いつの間に申し送りをしたのかわからないくらいに、個人的にさりげなく伝えるという方法です。

職員みんなで集まると、必要な申し送りが終わってからも、誰かが話をし始めて雑談に発展し、ずるずると申し送りの時間が長くなってしまうということがあるのですが、そういった問題点が改善できるかもしれませんね。

全体的に仕事の手が止まるのではなく、一部の人のみ手を止めるので、その他の人はご利用者の対応をすることができます。

・代表者のみ申し送りに参加する
看護師やその日の日勤リーダーなど、限られた人だけ情報を引き継ぎ、他の職員は看護師やリーダーから必要に応じてその都度個別に指示を受けるという方法をとっているところもあります。

・申し送りの時間は決めずに、特別伝えることがある場合に随時スタッフが集合する
何時から何時まで申し送りをするという時間を設けずに、必要なことがあれば集まって情報を聞くという方法です。
例えば、ご利用者の受診をして帰ってきた場合、スタッフのみんなに集合してもらい、頓服薬が出たことや様子観察のポイントなどを伝え合う。

重要なことがあるときだけ集まるので、一日の内で1回も集まらない日もあれば、何度も集まって話をする日もあります。
起こる出来事やご利用者の状態次第で、情報共有の頻度が変わるということですね。

まとめ

実際、申し送りを全くしない、というところは少ないようです。
どんな形であれ、情報の伝達はしっかりと行っているんですね。
でも、短時間で情報を伝え合う工夫や、ご利用者が気が付かないうちに情報を伝え合うなど、いろんな工夫をされています。

全体的な職員さんのスキルによっても、やり方は変わってくると思います。
経験の浅い職員さんの多い職場では、慣れるまでノートに書いて、さらに口頭で伝えるなど、省くどころか余計に手間をかけて情報の伝達をしなければならない場合もあります。

それぞれの職場で抱える問題点などを考慮した上で、いろんな工夫をしていけるといいですね。



  
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