認知症にはいくつかの種類がありますが、そのなかでもアルツハイマー型認知症が一番発症率が高く、全体の約6割を占めるといわれています。
アルツハイマー型認知症の原因や症状、治療の現状についてご説明いたします。
アルツハイマー型認知症ってどんな病気?
発症する原因は?
アルツハイマー型認知症は、特殊なたんぱく質(アミロイドβタンパクとタウタンパク)が脳細胞にたまり、神経細胞が壊れていくことで発症する病気なのですが、なぜその特殊なたんぱく質がたまるのかという根本的な原因まではまだわかっていません。
ですので、予防策もはっきりとはしておらず、どんな人でも認知症になる可能性があります。
脳の神経細胞が壊れていくとどうなる?
脳の神経細胞が壊れていくと、次第に脳が委縮していきます。
アルツハイマー型認知症は脳全体が委縮する病気です。
脳の側頭葉には海馬という記憶を司る部分があり、この部分が初めに障害を受けるため、軽度の物忘れから徐々に症状が進んでいきます。
記憶や理解力、判断力といった知的な機能を司る部分から、運動機能を司る部分へと委縮が進んでいくと、自分で体を動かすことが困難になっていきます。
しかし、実は海馬よりも先に障害を受ける場所があるということが、近年研究者より発表されています。
それは、嗅覚です。
よく認知症の方は匂いがわからなくなると言われていますが、認知症になったから嗅覚が衰えるのではなく、先に嗅覚が障害されてから海馬が障害され、認知症になっていくということなんですね。
そして、脳には12対の神経があります。神経組織は一度障害を受けると再生はされないといわれてきましたが、嗅覚を司る嗅神経は再生されることがわかってきています。
近年、認知症ケアにアロマが有効といわれており、研究が行われています。
アルツハイマー型認知症になるとどんな症状が表れる?
認知症が疑われる段階の初期症状には以下のようなものがあります。
少し前のことを忘れるようになる。人に教えてもらっても思い出せない。
うっかりミスが著しく多くなる。
物を置き忘れたり、どこにしまったのかがわからなくなる。
約束や予定を忘れるようになる。
同じ話を何度もするようになる。
匂いがわからなくなる。
気持ちが不安定になり、イライラしたり落ち込んだりすることが増える。
外へ出たくない、何もしたくないなどの意欲低下がみられる。
認知症の症状についてもっと詳しく知りたい方はこちら↓の記事もどうぞ
アルツハイマー型認知症の治療法はある?
残念ながら、現段階では認知症を治す薬はありません。
治す薬はまだありませんが、認知症状を改善する見込みのある薬はいくつか開発されていて、多くの人が服用しています。
ただ薬の効き目には個人差があり、うまく合えば中核症状である記憶力や判断力の低下が改善する場合もありますが、薬が合わない場合は、逆に興奮状態が表れる場合もあります。
周辺症状(BPSD)に対しての薬としては、向精神薬や抗うつ薬などが使われることもあります。
認知症の薬についても、現在研究が進められています。
認知症の方に対しての接し方についてはこちら↓の記事をご参考ください。
コメントを残す