介護の仕事というと、「体の不自由な方の身の回りのお手伝いをする仕事」というイメージをもたれている方も多いのではないかと思います。
でも、「身の回りのお手伝い」と一言で言っても、実際どんなことをするのでしょうか?
また、身の回りのお手伝いをすることの他に、介護士にはどのような役割があるのでしょうか?
介護の仕事に興味があるという方のために、介護の仕事内容や介護士の役割についてご紹介していきたいと思います。
介護の仕事って実際どんなことをするの??
体や心に不自由さを感じている方の身の回りのお手伝いをする
介護の仕事はどのような方を対象に行っているかというと、「介護を必要としている方」です。
つまり、病気や加齢によって体や心に何かしらの援助を必要としている方です。
介護を必要としている方々の身の回りのお手伝いを行うのですが、身の回りのお手伝いと一言で言っても、その内容は幅広く、身体の介護や家事のお手伝いなどがあります。
身体の介護とは、自分では起き上がれない方の体を起こしてあげたり、ベッドから車椅子などに移る、移動をする、食事をする、トイレに座ったり立ったり、着替える、お風呂に入る、服薬をする、外出する等々、そういったことをご利用者の体に触れながらお手伝いすることです。
一部的に介助することもありますが、全面的に介助をすることもあります。
家事のお手伝い(生活援助)とは、食事を一緒に作ったり、掃除や洗濯等できないことを一緒に行います。
「身の回りのお世話」ではなく、「お手伝い」と言うのが私の個人的なこだわりです。
介助者がついつい全部やってしまいがちなのですが、本来はできないところだけをお手伝いする。
体の不自由な方でも、自分でできることはたくさんあるんです。
主役はあくまでもご本人で、介助者はサポーターなんですね。
自己実現をサポートする
自己実現・・・というと、少し難しく考えてしまうかもしれませんが、簡単に言うと、ご本人のやりたいことができるようにお手伝いするということです。
体や心が自分の思うようにいかない方たちも、やりたいことがあったり、行きたい場所があったり、会いたい人がいたりします。
ただ、「自分はこんな状態だし・・・」といって諦めている方も少なくありません。
でも、本来そこで諦める必要なんて全くないんですよね。
一人では難しいかもしれないけれど、サポートをする人たちがいれば、やろうと思えば何だってできるからです。
やりたいこと、またはやりたくないことを自分で選んで決められることが、自分らしく生きるということにつながるのではないかなと思います。
でもご自分から「こんなことがやりたい!」と言ってくださる方は決して多くありません。
だから介護者は、相手から遠慮なく何でも言ってもらえるような関係性を作ったり、本当は何を望んでいて何を求めているのか、ニーズを発見する必要があります。
最近のアマゾンのCMをご存知でしょうか?
↓ ↓ ↓
https://youtu.be/Y2b9U6qu5SU
動画を埋め込むことができなかったのでURLですみません。
動画が見られない方には、こちらの記事で静止画をご用意していますので、ぜひ見てみてください。
母親からメールで「おばあちゃんのところに寄って」と連絡を受けた青年が、おばあちゃんの家へ行くと、おばあちゃんの若い頃の写真を見つけます。
その写真にはご主人と二人で写っていて、二人の背後にはバイクが。そして手には☆印のついたヘルメットを持っています。
写真を見た青年は、すぐにアマゾンで何かを注文します。
そしておばあちゃんのもとに孫からのプレゼントが届くと・・・
最後の場面は、孫の運転するバイクの後ろに乗せてもらっているおばあちゃん。
頭には孫からのプレゼントの★印のついたヘルメットをかぶって。
ご主人との思い出にあるような菜の花畑を二人で走っています。
孫の背中に顔を寄せるおばあちゃんのなんとも幸せそうな顔がたまりません。
ご主人との思い出がよみがえったのかもしれないし、バイクで走る心地よさを感じていたのかもしれないし、孫に対する感謝の気持ちがあふれていたのかもしれません。
本当に幸せそうな顔。
介護の仕事をすると、こんな体験がたくさんできます。
(※働く場によっても異なりますが…)
年をとったり障害を負ったりすると、諦めることも多くなります。
体が思うように動かない。
「やろう!」と思うだけの気力がない。
自分が何かを主張すれば、誰かに迷惑がかかるんじゃないか・・・。
そうやって、諦めてしまっていることが多い中、介護者がサポートをすれば、やりたいことが実現できるかもしれません。
大掛かりなことでなくても、自分のちょっとした配慮で相手が喜んでくださることはたくさんありますし、それは二人にとって、またご家族にとっても嬉しい特別な瞬間になります。
喜怒哀楽を共有(共感)する
介護の仕事をしていると、人と心の奥深くでつながるという経験をします。
楽しかったり嬉しかったり、悲しかったり・・・
感情を揺さぶられるような体験をたくさんします。
上記でお伝えしたアマゾンのCMように、喜ぶ顔が見られた!とか、やりたいことが実現できた!とか、嬉しい体験ができた!という喜びは本当に感動します。
相手が幸せなら、こちらも幸せになります。
逆に病気が悪化してしまった悲しさや、想い通りにいかない本人の歯がゆさなど、介護者もいろんな感情を共有します。
介護者とご利用者は、一緒に過ごしたり何かを一緒にやったり、関わりをもつということを通して、お互いの感情を共有する存在だと思います。
それは一方的なものではなく、介護者の感情にご利用者が共感してくださることもあります。
時になぐさめてくださったり、励ましてくださったり・・・そうやって、お互いの存在を必要としながら、過ごしていく間柄なのではないかなと思います。
結局介護の仕事って??
身体的な介助をするイメージが強かった人も多いかもしれませんが、介護の仕事は人の人生にお付き合いする仕事です。
その人の思い通りの生活(人生)が送れるように応援する仕事です。
介護って人と人とのつながりだと思っています。
もちろん身体的な介助もたくさんします。
でもそれはただの身体介助ではありません。
その身体介助にどのような意味があるのかというと「その人らしく生きていく」ことを実現するための身体介助です。
その場、その場の身体介助が最終目的ではなくて、身体介助を通して、その先にある「その人らしい生活」を実現していくということです。
自分には人を支えられるだけの知識も技術もないから・・・と不安に感じている方もおられるかもしれませんが、介護の仕事で大切なのは人間力です。
「人が好き」とか、「誰かの役に立ちたい」という気持ちがあれば、素敵な関わり方ができるはずです。
必要な知識や技術は、後からいくらでも学ぶことができます。
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