2015年2月8日に放送された、TBSのテレビ番組「夢の扉+」で認知症の予防や症状の改善に期待できる『プラズマローゲン』という物質が紹介されました。
今回は「夢の扉+」で紹介された内容についてまとめてみたいと思います。
プラズマローゲンの研究をしている人ってどんな人?
九州大学の名誉教授で内科医
藤野武彦先生です。
藤野先生は、1991年に「脳疲労」という概念を提唱された方です。
脳疲労とは??
「脳疲労」とは、文字通り脳が疲労するということで、脳の疲れが万病のもととなるという理論です。
脳が疲労しているとき、いろんな異常が起こります。
先生は、仕事や家庭、人間関係の悩みなどから生じるストレスが脳の神経細胞を傷つけ、様々な病気の原因になると考えました。
そして、この脳の疲れを改善させるために考案したのが脳疲労解消法(BOOCS法)です。
BOOCS(ブックス)の基本3原則
第一原則 たとえ健康にいいことでも、嫌であれば決してしない
第二原則 たとえ健康に悪いことでも、好きでたまらないか止められないことは、とりあえずそのまま続ける。決して禁止しない。
第三原則 健康によくて、しかも自分がとても好きなことを一つでもよいから始める。
ここで大切なのは、自分は悪いことをしているとは決して思わないこと。
その瞬間に脳が疲れて逆効果になるとのこと。
「嫌なことならやらない」とか、「健康に悪いことでも好きなことなら無理に禁止しない」というのは、一般のお医者さんなら言いそうにないことなのですが、実はこのこの脳疲労解消法、実際に効果を裏付けるデータがあるんです。
先生は、生活習慣病のハイリスク者4,137人にこの方法を指導し、10年間追跡調査した結果、肥満度や中性脂肪などのリスクが改善したということが実証されました。
先生によれば、「脳の疲労を取ると五感が正常化する。その結果、薄味・少量で満足する身体になる。」とのことです。
脳と身体の関係はとても奥が深いんですね。
そして、長年の脳疲労の研究で、脳の疲労を改善させるという物質に注目し、それが認知症にも大きく関わりのある物質だということを発表されました。
その物質は『プラズマローゲン』。
プラズマローゲンってどんな物質?
プラズマローゲンとは薬ではなく、人間や動物、魚介類などの体内に存在する自然物質で、脳細胞をコントロールする重要な役割を果たすものです。
ストレスを感じると、脳内に酸化物質が発生して脳細胞は酸化し、そしてやがて死滅してしまいます。
これが脳疲労の主な要因なのですが、プラズマローゲンは脳細胞の身代わりとなって酸化され、脳を守ってくれるのです。
そこで藤野先生は、脳を守るこの物質が、アルツハイマー型認知症などの改善にも役立つのではないかと考えました。
まず取り組んだのは、自然界の生物からプラズマローゲンを検出し、抽出・精製する作業だったのですが、プラズマローゲンは壊れやすく、熱に弱い物質。
当初は検出するのが困難で抽出や精製までたどり着かなかったといいます。
しかし研究を続け、日本屈指の細胞学者である九州大学の同期生、馬渡志郎医学博士の協力のもと、ついにプラズマローゲンの検出に成功されました。
研究を重ねるうちに、高純度なプラズマローゲンの抽出・精製法を確立されたとのことです。
実際に飲用された方の症例
同番組では、モニターとしてプラズマローゲンを2週間~1ヵ月摂取した認知症の方が紹介されていました。
認知症と診断されて2年になる80代の女性の方は、レビー小体型認知症で、記憶障害に加え、幻覚をみることもあります。
無表情なのも特徴的な症状です。
しかしプラズマローゲンを摂取して2週間後、再び診察を受けられた時の様子は、2週間前とは明らかに違うものでした。
笑顔が見られ、表情が豊かになり、言葉数も増えていました。
そして先生を気遣う言葉などもかけられていました。
この女性は施設に入居されていたのですが、そこで働いている介護士さんもとても驚かれていました。
また、認知症になって3年の70代の男性の方は意味性認知症と診断されていました。
意味性認知症とは、言葉の意味がわからなくなり、その言葉自体もどんどん消え去っていくという症状があります。
会話がままならなくなったり、時々奥さんのことさえ忘れてしまいます。
認知症のテスト、長谷川式スケールでは、初めは18点だったのが、プラズマローゲンを摂取して1ヵ月後には正解が増え、応える反応も早くなっていました。
そしてテストの結果は23点と向上していました。
また、奥様のお話では、以前は妄想などもあったが、プラズマローゲンを摂取してからは、妄想の中の人の名前が出てこなくなったとのことです。
番組でモニターした4人中2人は顕著な効果が見られましたが、一人は現状維持、そしてもう一人は測定不能状態という結果でした。
その後、福岡大学病院との共同研究で40人のアルツハイマー型認知症の患者さんの臨床実験を半年間行った結果、
40人のうち5割に顕著な改善が見られ、5割は現状維持だったとのこと。
その後藤野先生の研究チームは、動物実験により、プラズマローゲンが脳神経細胞を新たに生み出すことを世界で初めてつきとめました。
以上が番組の内容です。
まとめ
テレビ番組が放送されたのは2015年です。
それからもプラズマローゲンの研究は続けられています。
プラズマローゲンにはまだ謎も多いとのことで、さらに今後の研究に期待が持てそうですね。
プラズマローゲンを使ったサプリメントも販売されており、多くの方が利用されているようです。
認知症の方だけでなく、40代や50代の方でも予防として飲用されている方もいらっしゃいます。
レビューを見てみると効果を感じている方が多く、明らかに違いがわかるという方もいらっしゃるのですが、一方で全く効果を感じないという方もいらっしゃいます。
上記の臨床研究結果にもあるように、効果にはやはり個人差があるようですね。