今日から入居施設で介護職員として働くことになったAさん。
介護現場ではいったいどんなことが待ち受けているのでしょうか?
そしてAさんはどのようなことで悩むのでしょうか?
今回のお悩みは【利用者さん編】です。
介護施設でのご利用者との出会い
介護職員一日目、朝の申し送りが終わった後、場合によっては申し送りの前に、利用者さんに自己紹介を行います。
担当の職員さんがついてくださり、一人ひとり紹介してくださることもありますが、自分からあいさつに行く場合もあります。
~一通り自己紹介やコミュニケーションを終えたAさんの感想~
意外にもお話好きな人がたくさんいてよかった。
でも話しかけても知らんぷり(?)の人もいたし、気難しそうな人も多そうだな。
それに寝たきりの人もいて、言葉が話せない人もいる。
コミュニケーションをとるのって難しいな。
これからやっていけるのかな・・・
解説①介護施設で出会う人々
特養では要介護3以上の方が入居条件となりますので、コミュニケーションをとることが難しい方も多くいらっしゃいます。
他の介護施設でも、認知症のある方、体の不自由な方、比較的お元気な方など、いろんな方がいらっしゃいます。
ご利用者の中には、新人さんが好きな人もいれば、苦手な人もいます。
新しく来た人とお話がしたくて、話し出すと止まらない人もいれば、ごあいさつをしてもそっけない人もいます。
初対面の人だらけの中でいきなりコミュニケーションは難しいですよね。
新人教育を丁寧に行っている現場では、先輩職員さんが仲介してくれて、間に入って話をつなげてくれたり場を和ませたりして、新人さんの緊張をときほぐします。
また、話しやすいおしゃべり好きのご利用者と引き合わせてくれたりして、話をしやすい雰囲気を作ってくれます。
そして一人でも大丈夫だなと思ったら、しれっと先輩はいなくなる。
また、話をするのが難しいのであれば、ご利用者と一緒に軽作業をすることを通して(洗濯物を畳んだり、清拭をまいたり)、特別なにか話をしなくても一緒に過ごせるようにしてくれたりします。
でも厳しい現場では、たった一人でご利用者の中に放り込まれてしまいます。
介護の仕事をしに来ているんだから、それくらいできないと、という感じで。。。
ごあいさつをしてみて、話しやすそうだなと思えるご利用者からお話をしていけばいいのではないかと思います。
一人でも仲良しの人を作っていけば、明日もその人に会うのが楽しみになりますよ。
解説②話しかけてもそっけない人
Aさんがあいさつをしたときに、知らんぷり(?)した人は、何が原因だったのでしょうか?
(1)あいさつをされたことが理解できなかった
耳が遠かったり、認知症のある方は、話しかけても何を言われているのか理解できないことがあります。
その場合は、コミュニケーションの取り方を工夫していきましょう。
微笑みかけたり、口を大きく開けてみたり、手振り身振り動作で伝えたり、筆談にしてみたり・・・。
先輩たちが普段どのようにその方とコミュニケーションをとっているのか、様子を見させてもらい、真似してみてください。
(2)人見知り
高齢者でも人見知りの人はいます。
つまり拒まれてしまった、ということですね。
初対面で拒まれてしまうと、ちょっと心が折れてしまいますよね。
苦手意識をもってしまい、この先うまくやれるかどうか不安になってしまうかもしれません。
でも実はあなただけではなく、新しく来た人はみんなこの人見知りさんに悩んできたのかもしれませんよ。
必要以上に、自分のせいで・・・とは思わなくて大丈夫です。
不安なことがあれば、先輩に相談して、いろんな経験談を聞いてみましょう。
そして時間をかけて少しずつ、ゆっくり知り合っていけばいいと思います。
一見、気難しそうだと思える方でも、知り合ってみればとても味わい深く、個性豊かな方だということがわかります。
解説③寝たきりの人、言葉が話せない人
ご挨拶にいったときには寝たきりだと思っていた方も、実際はトイレに座って排泄をしたり、食堂に出てきて座って食事をされます(施設の介護方針にもよりますが)
横になられている時の表情と、起きられた時の表情ではまるで違うこともありますし、豊かな表情を見せて下さることもあります。
言葉が話せない方でも、表情やスキンシップを通してコミュニケーションを図ることもできます。
普段お部屋で休まれている方は、他者との関わりが少ないので、積極的にお部屋へ伺いましょう。
離床や臥床の介助をするときだけの関わりになってしまいがちなので、介助をする以外でも訪室し、お顔を見せてあげましょう。
知り合えば知り合うほど、その方のいろんな面を見ることができ、第一印象で感じた不安を取り除くことにつながります。
介護の仕事に就いたばかりのときは、話しやすく気の合う方から仲良くなっていけばいいと思います。
仲良しの人がいれば、その方に会えるのが楽しくなり、仕事に行くのも楽しくなります。
介護の仕事をがんばろう!と思える原動力にもなりますので、ご利用者との出会いを大切にしてほしいと思います。
コミュニケーションの取り方については、こちら↓の記事も参考にしてみてください。