【新人介護職員の悩み】身体介助が怖い!恐怖感を克服する方法

移動や移乗の介助の時に、「転んだらどうしよう・・・」とか、「ふらついたら支えられるかな・・・」とか、不安に思ったり怖くなったりしますよね。

ベッド上でのおむつ交換の介助であれば、丁寧に行えば相手を傷つける心配はないかもしれません。

でも、トイレでの排泄介助、お風呂での入浴介助、立ち上がったり座ったり、移動や移乗する行為が伴う介助は、どんなに丁寧に行っても、相手のバランスが崩れてしまうと、自分では支えきれないのではないかという不安がつきまといます。

身体介助が怖い理由

介助に対して恐怖感を抱く理由は二つあります。

ひとつは、介護技術が未熟なこと。
もう一つの理由は、介助をさせていただく相手の身体能力を正しく把握できていないことです。

(1)介護技術が未熟
何でも慣れないうちは怖いですよね。

車の運転だって、初めて路上に出たときはビクビク、ドキドキしたと思います。
手や肩に力が入って、神経を使いまくり、運転後はとても疲れたと思います。
でも、慣れてくるとリラックスして運転できるようになるし、バックミラーやサイドミラーをチェックしながら、ブレーキ踏んだりアクセル踏んだり、ハンドル操作を行ったり、いくつもの動作を同時進行で行うことができるようになります。
体が覚えれば、無意識のうちに動作ができるようになります。

介護も同じで、慣れないうちは必要以上に体に力が入ってしまったり、緊張で冷静な判断ができにくくなります。

人の本来の動きに合わせた介助方法ができれば、介護者も必要以上に力を入れる必要はないのですが、まだ介護を始めたばかりの方は、どのような動きをすればいいのかがわからずに必要以上に力を入れてしまったり、力任せの介助になりがちです。
そして、不自然な動きになってしまい、自分の体にも無理が生じてしまいます。

椅子から立ち上がって再び座るという介助、手引き歩行の介助、椅子から車いすへの移乗介助、これらの基本的な動作の介助が安全にできなければ、排泄介助や入浴介助もうまくいきません。
うまくできないことが続くと、ますます恐怖感や不安感は強くなっていきますよね。
まずは、基本動作から練習していきましょう。

また苦手意識が強いと、なるべく介助をしたくない・・・と、難しい方の介助を先輩に任せてしまうこともあると思います。
でもこれでは、いつまで経っても介助に慣れることはできません。

先輩が見守るなか何かあったら助けてもらえる状況で、積極的に介助をさせてもらうようにしましょう。

自分が間違った介助方法をしていないかどうか、第三者に見てもらって修正していくことが上達する秘訣です。

必要なのは、経験値を積むことです。

独り立ちをするまでは、先輩職員さんがそばについて指導してくださると思いますので、基本動作の介助をしっかりと覚えていきましょう。
また、たとえ独り立ちをした後でも自信がないときは先輩にお願いし、サポートをしてもらったり自分の介助を見てもらって適切な指導を受けるようにましょう。

 

自宅で介護の学習がしたいという方には、身体介助の基礎が学べるDVD付きの本がおすすめです。

これらの本は、入浴介助や排泄介助についてだけでなく、人の本来の動きや移乗介助などの基本動作が学べます。
基本的な移乗介助は二冊とも付録のDVDに収録されているので、どちらを購入されてもいいと思います。

こちら↓は、介助を行うときにどのような危険性があるか、安全な介助を行うためにはどうすればいいのかが学べる本です。これもとてもおすすめです!

 

(2)相手の身体能力を正しく把握できていない
恐怖感を感じる二つ目の理由は、介助をさせていただく相手のことを、まだよく知らないということです。
介助をさせていただく相手が、どれだけ力があるのかを知らなければ、介助する側に必要以上に力が入ってしまいます。
特に初めは恐怖感から、必要以上に力を込めて介助してしまうことがあると思います。

そっと支えるだけでいいのか、がっつり力を入れて支えなければいけないのか、バーを持ってどれくらい立っていられるのか、相手の力がわかれば相手を信じることができ、その分、介助する側も楽になります。

 

私がある新人さんの介護技術を指導させていただいていた時の話です。

歩行のバランスが不安定で、それでもなんとか手引きで歩行が可能という方の歩行介助について伝えていました。
立ったり座ったりする動作の練習を終えた後、いよいよ歩こうという時、新人さんは相手が転ばないようにと、体に力を込めて緊張しながら相手を支えているのがわかりました。

そこで歩く前に、ご利用者さんの立位がどれくらい安定しているのか、立ったままの状態で自分の力を抜いてごらんと伝え、新人さんに、ご利用者を支えながらも自分の力を抜いてもらうことにしました。

そうすると新人さんは、ご利用者がご自分の足でしっかりと立っておられることに気づき、そんなに力を込めて支えなくても大丈夫だということがわかったようでした。

歩くときにはバランスの取りづらい方なので、もちろん気を付けなければいけませんが、必要以上に力を込めなくても支えられるということがわかり、不安や恐怖感が薄らいだ様子でした。

 

事故を防ぐためにも、介助をするときには少し緊張感があるくらいの方がいいのですが、必要以上に不安や恐怖感が強いと、自分の体もガチガチになり思うように介助ができません。

介助をする体の動きに慣れてきたら、いつでも支えられる体勢をとりながらも、少し介助の力をゆるめてみて、ご利用者がどれくらい自分の力で立ち上がれるのか、どれくらい立位が可能か、介助をするときに必要な最小限の力を調べてみるといいと思います。

ただ、ご自分で立ち上がれて、立位保持もできる方であっても、座るときに足の踏ん張りがきかなくて、勢いよくドスンと座られる方もいらっしゃいますので、座るときは必ず手を添えて支えるようにしましょう。※勢いよく座ると、腰椎を圧迫骨折する危険性があります。
自分でゆっくりと座ることができる方であれば、その必要はないと思います。

相手の力がわかれば、実は手を添えて少し力を貸すだけでよかったとか、実は手を添えなくても自分で立ち上がることができたとか、座る時だけ支えればよかったなど、動作の全部に力を入れなくても、どの部分を見守り、どの部分に力を貸す必要があるのかがわかるようになります。
そして、焦らずに落ち着いて介助を行うことができるようになると思います。

もしもご利用者がふらついてしまったら??

手引き歩行などをしていると、歩行バランスの取りにくい方などはふらついてしまったり、途中で歩くのに疲れてしまうと、椅子がないところでも後ろに体重をかけて座ろうとされることがあります。
そんなとき、介護者はとても焦ってしまい、転ばせないようにと強く力を入れて腕をつかんでしまったり、他職員に大声で助けを求めてしまうことがあります。

床につく=転倒と考えてしまい、どうにかして床につかないようにと必死になってしまう人も多いと思いますが、バランスが崩れてしまったときは、ゆっくりその場に座っていただくといいのではないでしょうか?

介護の現場では、床につく=転倒=事故という考えが強く、どうにかして体勢を持ち直そうとします。
でもそういった場合は、相手の腕を力強くつかんでしまって、アザになったり皮膚剥離をしてしまうこともあり、かえって相手にとって危険で嫌な思いをさせてしまうこともあります。

ゆっくりその場に座ってもらった方がよほど安全ということもあります。
座ってもらうときは「ゆっくり」です。
介護者がそばにいながらも支えきれずに床にドスンと座ってしまう場合もあると思いますが、これは相手に何かしらの衝撃が走っているので事故になります。
ですが体を支えながら安全に座ってもらえばなんの衝撃もなく、怪我をさせる心配もありません。
途中で座ることは失敗ではなく、休憩です。
一度呼吸を整え、体勢を整えて介助を仕切りなおすことができます。

排泄介助のときにも、ズボンを上げる介助のときに、立っているご利用者が途中で座ろうとすると、「もうちょっと、もうちょっと!もうちょっとがんばって!」と焦って介助をする人もいますが、相手が座ろうとするなら一度座ってもらい、一呼吸置いて「もう一度立っていただいていいですか?」と伝え、落ち着いて介助を行うといいです。

焦って介助をすることこそが事故の元になります。
気持ちにも余裕がなくなってしまいます。
こちらのペースに合わせてもらうのではなく、相手のペースや動きに合わせて介助を行うようにすると、ゆっくり落ち着いて介助を行うことができます。

自分の体を鍛えよう

中には全身を使って、がっつり介助を行う必要のある方もいらっしゃいます。
ふんばりがきかなければ、やはりふらついてしまうこともあると思います。

自分自身がふらつかないように、体を鍛えることも大切です。
体幹トレーニングなどを行うといいかもしれません。

また、介助は腕の力で行うのではなく、自分の重心(体重)移動を使いますので、スクワットなどで下半身を中心に鍛えていくと動作が安定するようになると思います。

 



  
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