派遣という働き方は、特に若い方であれば一度は興味をもたれることなのではないでしょうか?
派遣というのはどのような仕組みで成り立っていて、派遣として働くことでどのようなメリットがあるのか?
また、注意すべき点などについてお話したいと思います。
派遣会社の利用方法と仕組み
派遣として働くためには、まずは派遣会社に登録をします。
Web上での登録だけで済む場合もあれば、派遣会社に出向いて登録手続きを行う場合もあります。
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次に希望の職場についての相談をします。
相談役になってくれるのはその地域の介護事業所のことをよく知るコーディネーターです。
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コーディネーターが希望に合うような職場を探してくれます。
求人のある職場に見学に行き、早ければ最短一日で派遣先が決まります。
派遣会社によっても異なりますが、派遣先が決まるまでに研修を受けることもあります。
派遣会社のコーディネーターってどんなことをしてくれるの??
就職に関して希望条件などの相談にのってくれる
希望に合った求人やおすすめの求人などを紹介してくれる
職場見学の手配や同行、面接などにも同行してくれる
派遣先と勤務条件などの交渉をしてくれる
就業後も気にかけてくれて様子を聞いてくれる・相談にのってくれる
派遣会社によっては専任のコーディネーターがついてくれるところもあり、職探しから就業した後も何かと相談にのってくれたり、サポートをしてくれます。仕事内容についてや職場の人間関係についてなど、悩みを親身になって聞いてもらえるのはありがたいですよね。
また、自分ではなかなか交渉しにくい勤務条件などの交渉をしてもらえるのはとても心強いと思います。
特に子育てや主婦業と仕事を両立させている方にとっては、勤務時間やお休みなどの希望は直接雇用ではなかなか通らないことが多いので、派遣会社を間に挟むことで希望が叶いやすくなります。
お給料ってどんな仕組み?どれくらいもらえるの?
派遣で働く場合、仕事に関する指示や指導などは派遣先の事業所から受けますが、お給料は派遣会社からもらいます。
時給は高めに設定されています。
直接雇用の場合は一般的に1000円くらいなのに対し、派遣で働くと同じ仕事内容なのにも関わらず1500円くらいもらえることもあるんですよ。
資格を持っている場合は、もっと時給が上がる可能性が高いです。
派遣社員は時給制です。
夜勤をした場合も時給制で、なおかつ深夜勤務となるのでその間(午後10時~午前5時まで)は時給が高くなります。
場合によっては固定給で働くよりも、時給制で働いたほうがお給料がたくさんもらえることもあります。
賞与(ボーナス)がもらえない。
派遣社員には賞与(ボーナス)がありません。
働く場にもよりますが、社会福祉法人は賞与がたくさん出るところが多いので、直接雇用されていた方が年収が高いです。
でも、民間の会社が経営している介護事業所では、賞与の額はそんなに多くはありません。
ですので、派遣社員は普段の時給が高いため、直接雇用の方と比べて年収はほとんど変わらなかったりします。
むしろ、派遣社員として働く方が(働き方にもよりますが)年収が高いということもあります。
社会保険には加入できるの?
派遣社員でも社会保険に加入することはできます。
加入する場合にはいくつか条件がありますが、通常の社員さんと同じような時間や日数分働く場合には、雇用契約期間が2ヵ月以上あれば就業開始日から加入できます。
短時間の労働の場合は、働く日数や雇用期間、月額の賃金など細かく条件が決められています。
社会保険の管理も派遣会社が行ってくれます。
派遣として働くことのメリット
コーディネーターが派遣先の事業所に勤務条件の交渉をしてくれたり、就業中も何かと相談にのってくれる
働く時間帯を選ぶことができる
サービス残業がほとんどない
直接雇用に比べて仕事量や役割などが少ない傾向にある
時給がいい
希望すればいろいろな介護現場を経験できる
派遣として働くメリットはたくさんあります。
一つずつ内容を確認してみましょう。
コーディネーターが相談にのってくれる
派遣という仕事はただ指定された事業所に働きに行くということではなく、働く側の希望をしっかりと聞いてくれて、その希望に応じた職場探しを行ってくれます。
希望に沿わない職場では長続きがしないので、働く側も派遣先の事業所にもどちらにもメリットがあるように、なるべく長く勤められるような希望に沿った職場を紹介してくれます。
また、面接の前に施設の雰囲気を実際に見れるように見学の手配や同行もしてくれます。
一人で不安を抱えながら就職活動を行うよりも心強いですよね。
派遣先の事業所に、勤務の時間帯やお休みなどの交渉も代わりに行ってくれるので、直接聞きにくいことや言いにくいことなどは、コーディネーターさんにお願いするといいですね。
働く時間を選ぶことができる
子育てや主婦業と仕事を両立させたい方には時間を選んで働くことができるというのはとても助かると思います。
介護の仕事をしていると、土日は休みたいとか夜勤はできないとか、そういった希望は直接雇用ではなかなか通らないことが多いです。
雇用者全員の希望を全て叶えていたらシフトが回らなくなるからです。
でも、直接雇用ではなく派遣として働く場合は、勤務条件を提示した上での契約となるので、休みの希望や勤務の時間帯の希望を通すことができます。
また、急なシフト変更で、本来ならば休みのところを出なければならない場合も、直接雇用の方から優先的に行われるので、お休みや自分の時間が確保できます。
サービス残業がほとんどない
残業をした場合にはきっちりとお給料が出ます。
直接雇用の場合は、終業時間が過ぎていても善意で残ることがあったり、休日に勉強会や会議などがあって出席しなければならないときなど、事業所によっては残業手当がつかないこともあります。
派遣の場合は、残業をしたら派遣会社に報告をして、その分のお給料を出してもらわなければなりません。
なので、休日に出なければならないこともほとんどなく、また日頃の仕事でも終業時間になったら正規社員の方から帰るよう促されたりします。
介護の仕事をしている人はボランティア精神があり優しい人が多いので、ついつい残って仕事をしてしまいがちです。他の人が忙しい時に帰るというのは気が引けたりもしますが、定時で帰らなければならない正当な理由があるので帰りやすいですし、事業所からもなるべく残業しないように配慮してもらえます。
仕事量や役割の差
介護施設には委員会や居室担当のケアプランの立案、行事企画など普段の介護の仕事に加えて様々な仕事があります。直接雇用の方と比べて、派遣社員の場合はこれらの仕事を任されることが少ないです。
いろいろな経験をして仕事を覚えたい方にとっては、仕事を任せてもらえないということはデメリットになるかもしれませんが、あまり仕事量を増やしたくないという方にとっては負担軽減になります。
時給がいい
上記でもお伝えしましたが、直接雇用に比べて時給がいいです。
直接雇用であれば最低賃金からスタートするかもしれないところを、もともとの時給単価が高い上に、経験年数や保有資格などを考慮してくれるので、かなり高い時給をもらうことができます。
いろいろな介護現場を経験できる
派遣の期間というのはだいたい3~6ヶ月です。派遣期間が終わるときに、派遣先で正規雇用などの人員が揃わない場合はそのまま続けて働くこともできますし、違う職場を選ぶこともできます。
働いてみて仕事内容や雰囲気が合わない、人間関係での悩みがある場合などは職場を変わりやすいといえます。
正規雇用をされているのにも関わらず、数か月単位で職場を辞めて転職を繰り返すというとあまりいいイメージをもたれませんが、派遣社員であればそれが堂々とできるからです。
介護事業所はいろんな種別があり、役割も違います。仕事内容や雰囲気も違うので、いろんな事業所の介護現場を体験できるということはとても勉強になりますし、体験しながら自分の介護観を見つめ直すことができます。
派遣として働くことのデメリット
賞与(ボーナス)がもらえない
直接雇用ではないので、派遣先での事業所で出世をすることが難しい
派遣期間満了で、別の事業所へ変わらなければならないことがある
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
一つずつ内容を確認していきましょう。
賞与(ボーナス)がもらえない
上記でもお伝えしましたが、派遣社員にボーナスはありません。
社会福祉法人や母体の大きな医療法人などはボーナスがたくさん出る傾向にあります。
ただ、働く場によっては、正規雇用でもボーナスがかなり少なかったり出ないところもあります。
ボーナスが出ないというと、損をしているような感じもしますが年収という大きなくくりで見てみると、派遣は日頃の時給が高いので、正規雇用の方よりも年収が高いという場合もあります。
また、ご主人の扶養内で働きたい、年収の額を制限するためにパートとして働きたいという方にとっては、ボーナスが出ないということはデメリットにはならないかもしれませんね。
出世の見込みがない
介護職として働いてスキルをつけていくと、相談員や管理者への道が開かれます。
そうなると、施設運営を任される一員になれたり、お給料もアップしたりします。
ただ、そういった人材は正規雇用の方から選ばれるので、派遣社員では出世の道が閉ざされてしまいます。
これは本人の希望にもよると思いますが、そういった出世意欲のある方は、派遣ではなく直接、法人や会社に雇用された方がいいと思います。
ただ、派遣としていろいろな介護現場を見てきた人は、経営や運営に携わるときにとても役に立つと思います。
広い視野をもっていたり、それぞれの事業所のノウハウを知っているということは強みになります。
今は派遣社員でも、いつか正規雇用をされたときに経験やノウハウを活かせば、経営陣に必要な人材になることができます。
派遣期間の満了で職場を変わらなければならない
派遣期間はだいたい3~6ヵ月なのですが、その間に派遣先で正規雇用の人材が見つかれば任期満了をもって終了という形を取られます。
介護事業所としては、派遣会社を使うとお金がかかるので、いつまでも派遣会社を使うつもりはなく、正規直接雇用の人材が見つかるまでの一時しのぎと考えています。
ですので、派遣社員の方が来てくれても引き続き求人募集は行っていて、直接雇用ができる方を探しています。
できれば派遣で来てくれた人に、任期終了後に正規職員として勤めてほしいので、「うちで勤めませんか?」と打診することも多いのですが、お休みが自由にとれなかったり夜勤をしなければならないなど、勤務条件が合わなかったりすると務めることは難しくなります。
続けて勤めたいのにも関わらず、条件が合わないため勤められないということもあります。
そして、職場が変わるということは、せっかく知り合ったご利用者やスタッフの方々とお別れしなければならないということです。せっかく楽しく働くことができていたのに、職場を変わらなければならないというのは寂しいことでもありますし、環境の変化に弱い方にとっては、数か月単位で職場を変わるということはストレスになるかもしれません。
また、任期満了で職場を変わらなければならないということは、一時的に働く場がなくなってしまうということです。
次の派遣先が決まるまで時間がかかるのでは・・・と心配になるかもしれませんが、介護業界は求人がたくさんあるので、早く決まりやすいです。
さらに複数の派遣会社に登録しておくと、それぞれ持っている求人情報が違ったりするので、多くの求人情報の中から選ぶことができます。
総合的に考えて派遣はあり?なし?
派遣で働くことのメリットとデメリットをお伝えしましたが、一つ一つ確認していくとそんなに大きなデメリットはないですね。
デメリットが該当しない方には、派遣はメリットだらけだということです。
派遣という働き方は、条件が合う人にとってはとてもいい働き方だと思います。
自分のライフスタイルや都合に応じて、働き方や職場を選べるので、仕事で不自由さを感じることが少ないのではないでしょうか。
少しでも時給の高いパートで働きたいという方
入居施設で働きたいけれど、夜勤をするのは難しいという方
いろんな介護現場を経験してみたいという方
お休みや勤務時間の融通をきかせてほしいという方
こういった方々は、派遣という働き方を一度試してみてもいいのではないかなと思います。
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