見当識障害は認知症の症状の一つを表す専門用語です。
見当識障害というのはどのような症状をさすののでしょうか?
まず『見当識』について調べてみると、次のようにあります。
見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこに居るかなど基本的な状況把握のこと
(Wikipediaより)
つまり見当識を障害されている状態とは、今が何年の何月何日の何曜日、何時何分なのかがわからなかったり、今自分のいる場所がわからなかったり、目の前にいる人が誰なのかわからない、自分の置かれている状況に見当がつかないということです。
見当識障害の原因は?
見当識障害になる原因は、なんらかの脳の障害により物事の判断や認知ができなくなったり、今まで覚えていたことを忘れてしまうというところにあります。
見当識障害は認知症の初期の段階では、まず日付や季節がわからなくなります。
続いて場所がわからなくなり、出かけても道に迷うようになり、家に帰れなくなってしまうこともあります。
そしてかなり重度になると人の認識ができなくなるといわれています。
家族でも他人のように思えたりするので、見ず知らずの人が自分の家にいると思い込んで困惑してしまうことがあります。
見当識障害のある方への接し方
日付がわからない場合は、大きな文字で表示されるデジタル時計を置き、その近くに一ヵ月単位の紙のカレンダーも一緒に置きます。
一ヵ月のカレンダーにはゴミの日や予定を記入したりして、目で見てわかるようにします。
また、場所がわからない場合は、例えば家の中であればトイレやお風呂に表札のようなものをかけたりして、これも目で見てわかるようにします。
長年住んだ家の中であれば体が覚えているので問題ないと思いますが、新しい家に引っ越したり、介護施設に入ったりすると覚えるのも大変なので、こういった工夫をするといいと思います。
外に出て家に帰れなくなってしまう方には、なるべくは一緒に外出したいところですが、難しい場合は地域の方の協力をもらったり、身に着けている靴やカバンに住所、名前、家族の電話番号などを書いておくといいです。
また、最近では携帯電話を持っている高齢の方も多く、GPSで居場所がわかるようになりました。
市町村でも、迷って家に帰れない認知症の方に対しての体制を独自で作っているところもあります。
GPS機器を貸し出してくれる自治体もあるので相談してみましょう。