認知症の人への接し方【基本編】

認知症の人と接するうえで一番大切なこと

認知症であろうが認知症でなかろうが、人への接し方の基本は誰に対しても同じです。
特別なことなんて、なにもありません。

接し方の基本は『誠実に接する』です。

もう一度言いますが、認知症の人であろうがなかろうが、誰が相手でも同じ。
相手に対して誠実に接するということが一番大切です。

なんだ、そんなことか~と思うかもしれませんが、意外にこのことって忘れ去られていませんか?

相手が認知症だと分かった途端に幼児言葉で話しかけたり・・・。
どうせ言ったってわからないと思って適当にあしらったり・・・。

これって人として全然誠実じゃないと思うんです。

無意識なのかもしれませんが、どこかで相手を下に見てしまっているのではないかと思うんです。
「この人だから・・・ま、いっか。」と。。。
気を抜いてしまったり、手を抜いてしまったり。。。

「相手に対して誠実に丁寧に接する」ということを心がけていれば、自分がやるべきことって自然とわかってくると思うんですよね。

少なくとも、相手の言うことに耳をかさないとか、こちらの都合で適当なウソをついてあしらうとか、そういった相手の気持ちを無視した行動には至らないはずなんですよ。

相手がどうしてほしいかを考えて行動することが大切なんじゃないかと思います。

人間関係で一番大切なことだと思います。

そして、人と接するときの基本姿勢として、さらに具体的なお話していきたいと思います。
ただ、今からここに書くことも、「な~んだ、そんなことか」と思うような、ごく当たり前のことです。
でも、そのごくあたりまえなことが実生活の中では一番忘れられやすいことなんです。
そのごくあたりまえのことを最優先に大切にしてほしいと思います。

人と接するときの基本姿勢

①相手と目線を合わせ、目を見て話す

相手が座っていたら、自分も座ったりしゃがんだりして目線の高さを同じにする。
か、もしくは自分の方が少し低くなる。

相手が座っていても自分が立ったままで話をすると、相手は威圧感を感じたり失礼な態度と感じます。
無意識のうちに上下関係ができてしまうこともあるのです。

目上の方とお話をするということを意識すれば、自然と低姿勢になれると思います。

見上げ続けなければいけないというのは、首も疲れますしね。

②優しいまなざしで見つめる

目は口ほどにものを言うという言葉があるように、顔が笑っていても目が笑っていなかったら、ちょっと怖いですよね?
この人は何を考えているのかかわからない・・・と警戒心を抱いてしまいます。

不思議なもので、認知症の方は相手の表情にとても敏感です。
心が読み取れるのではないかと錯覚するほど、敏感な方もいらっしゃいます。

できればニコニコした表情がいいのですが、不自然な営業スマイルになるくらいなら、自然な表情でOKです。

表情については、こちら↓の記事でもっと詳しくお話ししています。

認知症の人への接し方【技術編】

2017年11月7日
③ゆっくり丁寧に優しい口調で話しかける

認知症の方は言葉の理解が難しい場合があります。
また、高齢の方であれば耳が遠い人も多く、言葉が聞き取りづらいということもあります。

ですので、ゆっくり丁寧にはっきりした言葉で伝えると相手に伝わりやすいです。
ただ、あまり大きな声で話しかけるとうるさく感じる方もいらっしゃるので、声の大きさには気を付けましょう。

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2017年10月22日
④初対面の相手には敬語を使う

普段初めて会う目上の人には敬語を使っているのにも関わらず、なぜか相手が認知症であると、初対面なのにも関わらずタメ口になったり、幼児言葉で話しかけたりする人がいます。

周りで見ていると、いつそんなに仲良くなった??と思ってしまいます。
自分の家族が初対面の人(介護職員)からタメ口で話しかけられているのを見たら、あんまりいい気分はしません。
大切に、丁寧に接して欲しいと思うはずです。

でも、タメ口が全くダメというわけではなくて、お互いによく知り合って仲良くなれば、自然な流れでタメ口もありだとは思います。

周りの人が見ても仲良しなのが伝わってくるような光景であればいいなと思います。

丁寧な言葉を遣っているようでも、表情や態度が威圧的な人もいるので、一概に言葉遣いだけをどうのこうの言うべきではないのかもしれません。

ただ、初対面としてふさわしい言葉遣いはしていきたいですよね。

⑤困ったことがあったら助けてあげる

何か困っている様子だったら、自分に手伝えることはないか声をかけてあげる。
明らかに困った様子で話しかけてきているのに、今忙しいからと適当にあしらったり、相手にしないのは逆の立場だったらとても悲しいことですよね。

「あとでね。」とか「ちょっと待ってね。」ではなく、その時のその人の気持ちに誠実に向き合っていくことが大切なのではないかと思います。

認知症の人は特に記憶力や判断力の低下から、困った状況に出くわすことが多いので、そんなときは力になってあげたいですね。



  
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