老いを支える介護、老化はなぜ起こる?

人に限らず生物は皆、ある一定の年齢(状態)を境に、体の機能が成長から衰えへと変化していきます。

そして、それは誰にでも共通して起こることです。

老化現象の特徴とは??

老化とは、「年齢を重ねるにつれて、身体のはたらきが変化して(衰えて)いくこと」。

老化の特徴を考えてみると・・・

・万人に共通して、誰にでも起こる現象
・体の働きが衰えると、それは完全に元の状態(若いころの一番いい状態)に戻ることはない
・生命の維持に影響の少ない機能から、生命の維持に必要不可欠な機能(恒常性の維持機能)まで、あらゆる機能低下がある
・老化の先には死があり、それは避けられない  ・・・と言えます。

恒常性の維持機能(ホメオスタシス)って何??

ホメオスタシスとは、体を一定の状態に保つために必要な機能です。

人の体は何らかのストレス(刺激)が加わると、体を守ろうとして安定した状態を維持しようとします。

例えば・・・
・熱が出ると、体温を下げようとして発汗する
・擦りむいたヒザは血が止まり、傷が少しずつ治ってくる
・日焼けして赤くなったり黒くなったりした肌は元の白い肌に戻ろうとする
・何日もご飯を食べないと、消費するエネルギー量を調節するようになる

こんなふうに、元々の状態に戻ろうとする力、危機的状態から自分を守ってくれる力がホメオスタシスです。

この機能が加齢に伴い低下して、病気に罹りやすくなったり、病気になっても治りにくくなったりするわけなんですね。

ホメオスタシスは、状況によって体の機能を適応させる『自律神経』や、『ホルモン分泌』『免疫』といった機能で成り立っています。

老化というと、初めは筋力の低下など、自覚症状のあるものから起こっているように感じます。
顔のたるみやしわの数、シミの多さ、足腰の弱さなどを感じた時に、「年をとった・・・」と自覚することがあると思いますが、実は『自律神経』や『ホルモン分泌』『免疫』など、直接生命に影響するような機能も同時に衰えていっているんですね。

これらは、ストレスが原因で働きのバランスを崩してしまいやすく、実は若い方の中でも機能の低下が見られることが多々あります。

体の外側だけを気にして、「若返りたい・・・」と思うことがあるかもしれませんが、体の内側で起こっていることに目を向けることがとても大切です。

老化を防ぐ方法ってあるの??

一時的に衰えた機能が回復することはありますが、それは永遠に続くわけではなく、いつかはまた衰えていきます。

若返りの薬などの研究が行われているという話も聞きますし、いつかはそういったものが開発されるのかもしれませんが、現段階では老化を食い止めることはできません。

老化を防ぐことはできませんが、衰えていくスピードを遅らせることはできます。

これは、生活習慣や心や体のあり方、遺伝の影響など、様々な要因が関係し、また個人差があります。

みなさんの周りにも、お年の割には若いと感じる方がいらっしゃると思いますが、そういった方々の共通点をいくつか挙げてみたいと思います。

いつまでも若々しい人の共通点とは?

①気持ちが若い

人を見て若いと判断するのは、外見で判断することがほとんどだと思いますが、外見に影響しているのは心の在り方です。

気持ちが若い方は、流行に敏感で、若い方の間で流行っている音楽やお笑い、ファッションなどに興味を持っていたり、新しく出てくる電化製品なども、興味をもって、使ってみようという意欲があります。

新しいものは苦手、自分の理解の及ばないことは苦手、という人も多いと思いますが、好奇心旺盛で、何歳でも新しいことに興味をもったり挑戦する気持ちがある人は、とても若々しく感じられます。

②フットワークが軽い(心や体を動かしている)

心が動くと、体が動くのも簡単です。
行動力のある人は、抵抗する気持ちが少ないと言えます。

「もうこんな年だし、人に笑われるかな・・・」とか、余計なことは考えず、自分がやりたいことをします。

現状を受け入れ、順応し、そして希望をもっている。
抵抗が少ないというのは、自分にとって不都合な現実に直面したとしても、いい意味で諦めたり、開き直ったりして、あまりくよくよせずに前へ進むことができるということです。

行動するということは、それだけ体を動かしたり、いろんな経験をして心をときめかせたりしているので、体も心もさらに強く元気になっていきます。

③人とコミュニケーションをとる機会が多い

人とコミュニケーションをとるときには、とても頭を使います。
相手の表情を読み取ったり、会話の切り返しを考えたり、記憶を呼び起こしたり・・・。

中には年齢を重ねるにつれて、人と関わることが煩わしく感じられたり、人間関係が気薄になったりすることもあるかもしれませんが、いつまでも若々しくいる人は、人とのおしゃべりを楽しんでいる方が多いように感じます。

冗談を言ってはよく笑う。
気持ちが明るく、はつらつとしている。

一日中テレビを観ている、誰とも話をしないという言う人は、流れてくる情報を受動的に受け取るだけなので、能動的な行動を起こすことがありません。

頭で考えて、何か自分から発信するということがありませんし、無表情でいることも多いので、表情筋もかたくなってしまいます。

いざ話をしようとしても、言葉が出にくくなったりすることもあります。

少しずつでも、人との関わりを持ち続けられるといいですね。

 

これらの共通のポイントを見ているだけでも、なんだか明るく元気な若々しいイメージが浮かんできますよね?

いつまでも若くいたいという方は、心や体を動かしていくということが大切なのではないかと思います。

その際に大事にしたいのは、『楽しむ』ということです。

心と体は密接に関係している

心が元気になれば、体が動きやすくなる。

逆に、適度に体を動かすことで、気持ちがスッキリと晴れやかになったり、心地よさを感じます。

あまり意欲的ではない、気弱な性格、物事をネガティブに考えてしまう、という人でも、体を鍛えだした途端に、気持ちが明るく前向きになり、元気になったということもあります。
体を動かすと、心が強くなることがあるのです。

ただ、いくら健康にいいからといっても、嫌々やることはストレスにもなるので、自分からやりたいという気持ちをもてるようにする、他人が強要しないということが大切です。
体を動かすことはトレーニングと考えるよりも、『よく遊ぶ』という考え方の方が楽しんでできます。

また、最初は気乗りしなくても、やってみたらとても楽しかったとか、ゲーム感覚で夢中になって体が動かせたというような工夫ができるといいですね。
他者と一緒に運動をすることで、笑顔が生まれたり、人の優しさにふれたりして、ただ体を動かすということ以上の満足感が得られることもあります。

老化を受け入れられない人の苦悩

気が付いたら自分の親が、もしくは祖父母が弱々しく感じられ、「なんだか年取ったな・・・」と切なくなったりすることがあると思います。
病気などをすると、とてもショックだったり現実を受け入れることができないということもあります。

でも、生きていれば、老化現象も病気になることも、誰にでも起こり得ることです。

どこかで他人事のように感じてしまいますが、自分の家族でも自分自身でも、それは例外なく起こり得ます。

徐々に変化を感じていたり、うすうす気が付いていた場合には、ショックはさほど大きくはないかもしれませんが、急に気づいたり診断されたりすると、とてもショックですよね。
ショックですぐには受け入れることが難しいかもしれませんが、第一歩は、現実を受け入れることから始まります。

現実を見つめた上で、どうすることがご本人や自分たちのためになるのかを考えていけるといいですね。

起こる現象に対して自然な流れに任せるのも一つですし、悪化を防ぐために予防や治療の手段を探したり実践したりするのも一つだと思います。

考え方は人それぞれですが、まずは、今のその人自身、その人の状態を認めるということが大切なのではないかと思います。

なかなか受け入れがたく、「母は前とは変わってしまった・・・」とか「こんなの自分の知っている母じゃない」とか「なんでこんなことになってしまったんだ・・・」とか、現実を否定したくなる気持ちもあるかもしれませんが、当の本人が一番してほしいことは、『年をとっても病気でも、今のこのままの自分を受け入れてほしい』ということなのではないかと思います。

本人の存在(老いや病気)を否定して、予防や治療に躍起になる前に、まずは本人の存在を受け入れ、その上で、本人のためになることを探していけるといいですね。



  
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