認知症の人との人間関係は簡単には作れない!?という記事では、信頼関係作りって意外に難しいということをお伝えしました。
介護施設では、残念ながらご利用者に人気のある職員とそうでない職員がいます。
(※全ての介護施設に当てはまることではありません)
ご利用者に人気のある職員と、そうでない職員の間には、ある差があります。
それこそが信頼関係を築けているかどうかということ。
もちろん性格的なことや相性もあるので、職員さんの接し方に全て問題があるとはいえません。
ただ、明らかに接し方に問題がある場合もあるので、どのように改善していけばいいのかを考えていきたいと思います。
認知症の人に対してよくやってしまう接し方の悪い例
認知症の人は、状況の判断ができにくかったり、出来事をすぐに忘れてしまったりします。
これをいいことに、介護者は自分にとって都合よく相手(認知症の人)を動かそうとします。
相手が認知症だと知った途端、接し方が変わってしまう人もいます。
【接し方の悪い例】
・相手が真剣に訴えていることに対して、訴えをよく聞きもせず、「はい。はい。」と簡単にあしらう
・適当なウソをついてごまかして相手にしようとしない
・相手を下に見て、指示や命令口調になる
接客業という見方から考えると、これは明らかに苦情ものですよね?
でも、相手が認知症であるため、忘れてしまう、苦情を言われることがない、ということから、こういった接し方をしている人は実際多いと思います。
一人の人として接するというよりも、認知症の人、障害者、患者(利用者)の中の一人という見方をしています。
こんな風に接していては、相手から信頼されるはずもありませんよね?
『何かあった時に頼れる存在』とは思ってはもらえません。
ではどのように接していけばよいのでしょうか?
人気のある介護職員さんのご利用者への接し方
ご利用者に人気のある職員さんの接し方を掘り下げて見てみると、人として誠実に接していることがわかります。
相手が真剣なら、こちらも真剣に向き合う。
親身になる。
不安な気持ちや言葉に耳を傾ける。
たくさんいる利用者の中の一人という見方ではなくて、〇〇さんという一人の人として向き合っています。
〇〇さんが困っている、それに対してどうするか?を考えられる人が、結果相手から信頼をもらうことになります。
実はこれは人として、至極当たり前の接し方なんです。
でも、こんな当たり前のことが、認知症ケアの現場ではなかなかできなくなってきています。
認知症の方の訴えに対して、苦笑いしながら「はいはい、わかった、わかった。」を繰り返していると、相手(認知症の人)のことがどんどんわからなくなってしまいます。
相手のことを知り、相手との関係性が変われば、認知症ケアのヒントも今よりずっとたくさん得ることができると思います。