前頭側頭型認知症とは?脳の働きや症状などについて

認知症のなかでも比較的若年の方(65歳未満)に多く発症するといわれる前頭側頭型認知症、認知症の中では唯一「前頭側頭葉変性症」として難病指定にもされています。
どのような病気なのか、脳のはたらきや症状などについて詳しくみていきたいと思います。

前頭側頭型認知症とは?

大脳の前頭葉や側頭葉が壊れていき、萎縮することで起こる認知症です。
なぜ萎縮が起こるのかということについては、原因ははっきりとはわかっていません。

前頭側頭型認知症には主に症状によって3種類にわけられます。

「前頭側頭型認知症」
・性格の変化や行動の変化があり、反社会的な行動をしてしまうことがある

言語障害のある
「意味性認知症」・「進行性非流暢性失語症」
・言葉の意味がわからなくなっていく
・文法が理解できなくなっていく
・物の名前や単語が出にくくなっていく(言葉がしゃべりづらい・もつれる)
・発語がなくなっていく

前頭葉のはたらきと側頭葉のはたらき

前頭側頭型認知症は大脳の前頭葉や側頭葉の萎縮により進行する認知症ですが、前頭葉や側頭葉にはそれぞれどのような役割があるのでしょうか。

前頭葉のはたらき

・思考する
・分析する
・判断する
・計画をたてる
・やる気を出す(自発性)
・実行する
・感情をコントロールする
・理性をはたらかせる
・体を動かす命令を出す
・言語処理を行う(言葉を話すための作業)

これらの機能が低下すると、几帳面な人がだらしなくなったり、感情をコントロールできなくてイライラしたり、我慢ができなくなったりします。

前頭葉は思考や感情の表現、判断を行うため、人格や理性的な行動、社会性に大きく関わる場所です。

側頭葉のはたらき

・色の認識
・形の認識
・音の認識
・言語処理を行う(言葉を聞いて理解する作業)
・記憶する
・判断する
・感情をコントロールする

これらの機能が低下すると、見たもの、聞いたものが理解できなかったり、記憶ができなくなったりします。

側頭葉は、言葉を理解したり、聴覚、視覚、記憶や感情の機能をつかさどる場所です。

前頭側頭型認知症の症状とは?

初期には物忘れや言語障害はあまりみられず、人格の変化や反社会的な行動などが目立ちます。

具体的な症状として

常同行動

・毎日同じ時間に同じ行動を繰り返す
・毎日決まったコースを散歩する
・毎日決まったものを食べる
・同じ話を繰り返す
・手をパチパチと叩くなどの反復行動をする

 

脱抑制

・感情が抑えられなくてイライラする
・衝動的な暴力をふるう
・理性的な判断ができず、本能のままに行動する
・他者への配慮に欠ける
・万引きなどの反社会的な行動を悪気なくする

 

注意力・集中力の低下

・几帳面だった人がだらしなくなる
・ボーっとしていることが多くなる
・一つの行動が続けられない
・無関心になる
・落ち着きがなくなる

 

感情・情動の変化

・感情が乏しくなる
・他人の気持ちが理解できなくなる(共感できなくなる)

 

外的刺激に影響されやすい

・人の行動や言動が気になる
・テレビの影響を受けやすい
・人の動作を真似する
・音や文字に敏感になる
・目に入った文字を繰り返し言う

 

食行動の変化

・特定のものに固執して、同じものを食べる
・甘いものが好きになる
・食欲が旺盛になり、たくさん食べる、盗み食いや隠れ食いをする

 

言語障害

・言葉の意味がわからなくなる
・ものの名前や単語が出てこなくなる
・発語が減る

 

自発性の低下

・自分や他人に対して無関心になる
・意欲がなくなる

 

前頭側頭型認知症の発症年齢は?

他の認知症より若年で発病することが多く、発症年齢としては40~60代に多いといえます。

発症から10年前後で寝たきり状態になるといわれており、アルツハイマー型認知症よりも短い傾向にあります。



  
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