介護施設で介護の仕事をするときに、一番初めに覚えなければならないのはご利用者の名前とお顔です。
大きな介護施設であればたくさんのご利用者がいらっしゃるので、一人一人の名前を覚えるのにも苦労するかもしれません。
ご利用者の名前がなかなか覚えられない。。。という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
ご利用者の名前を覚えられなければ、仕事に支障をきたしてしまうこともある
居室で介助を受けられる方であれば、表札や名札などでご本人の名前を確認することができますが、リビングなどの共有スペースで介助を行う場合、名前を覚えていなければとても困ることがあります。
それは相手の名前を呼んでさしあげられないというような単純なものではありません。
ご利用者に健康被害をもたらしてしまうほどの大変な事態を招く場合もあるのです。
例えば食事の配膳。
ご利用者によっては減塩食やミキサー食など、特別食が用意されている場合があります。
入ったばかりの頃に、積極的に動こうと思って配膳をがんばったものの、別の方の食事を配膳してしまい、失敗してしまったというケースはよくあります。
間違えてしまった原因の一つに、名前は知っていたものの別の方と勘違いしてしまったという場合があります。
先輩から、「これ〇〇さんのところへ持って行って。」と言われても、顔と名前が一致していなければ、他の人のところへ持って行ってしまう危険性があります。
本来ならミキサーにかけた食事をとられる方へ普通食を提供してしまい、その方がおかずを噛まずに丸呑みしてのどに詰まらせてしまうということもあり得ます。
配膳を間違えたことに気づくのが遅くなると、こういった事故が起きかねません。
またお薬の介助では、誤って他の方の薬をお渡しして服用してしまったとなると、命に係わるような大変な事態にもなりかねません。
働きだしてから何日目でどんな仕事をするのかは、施設によって異なります。
ゆっくり教えてもらえる施設もあれば、入って早々仕事を覚えるためにいろいろなことをやる場合もあります。
しばらくは先輩がついて、間違わないようにチェックしながら行うとは思うのですが、ご利用者の顔と名前が一致していない状態で仕事をするというのはとても危険なことなんです。
だから、一刻も早くご利用者の名前とお顔を覚える必要があるんですね。
そこで、利用者さんの名前を早く覚えるコツをご紹介したいと思います。
名前を覚えるコツ① 名前を覚えることを意識する
ご利用者と毎日のように接していれば、いつかは名前を覚えることができます。
でも、それでは時間がかかってしまいますよね。
あたり前のことですが、覚えることを意識しなければ覚えられません。
テスト勉強などもそうですよね。大事なことを暗記しよう!と意識して取り組まなければ、なかなか覚えることはできないと思います。
覚えよう!と意識することが大切です。
名前を覚えるコツ② ご利用者とたくさんお話をする
コツ①では、覚えることを意識するとお伝えしましたが、ご利用者の中でもすぐに名前を覚えてしまったという人もいると思います。
なぜその方のことを覚えられたのかというと、なにか強烈な印象があったからだと思うんですね。
特別に笑顔が素敵だったとか、特別に機嫌が悪く暴れていたとか・・・。
顔や行動をパッと見てその方のことを覚えられたのは、それだけ強い印象を受けたということなんです。
介護施設では、顔だけ見て名前を覚えなさいということはまずありません。
お話をしたり、一緒に過ごしたり、関わることができる現場です。
ですので、積極的にたくさんお話をして、その話の内容から印象付けていくと覚えやすいと思います。
また、お話をする中で、その方の名前を何度か呼ぶように意識しましょう。
一度お名前を聞いても間違えたら嫌なので、名前には触れずに会話を進めることがあると思いますが、会話の中で「〇〇さんはどうですか?」など、相手の名前を呼びながら話をすると、すぐに覚えることができます。
相手も自分の名前をすぐに呼んでもらえると嬉しい気持ちになるかもしれないですしね。
名前を覚えるコツ③ 名前や人物像を記録する
ご利用者とお話をした後、印象に残った話の内容や、その方の容姿や特徴などをメモに残し、家に帰って見返した時に顔が思い浮かぶようにしましょう。
名前よりもまず先に顔を覚えた方が親しみがわきますし、親しみがわくと名前を覚えるのも早いです。
また、食事の際にいつも座る席が決まっている場合は、座席表などを作って覚えるという方法もありますが、これだと名前から先に覚えてしまうことになります。
顔がわからないまま名前だけ覚えてしまうと、もしも別の方がその方の席に座った時に、別人をその方だと思い込んでしまうこともあるので、注意が必要です。
やはりご利用者とたくさん接して、まずは顔を覚えていくようにしましょう。
名前を覚えるコツ④ 自分に任務を課す
朝出勤時してご挨拶をするときに、名前を呼んでからあいさつができるように自分に任務を課す。
名前を呼ぶ機会を自分で作ることで、間違えないように呼ぶためにもしっかりと覚えようという気持ちがさらに高まります。
初めの頃はあなたのことをまだ覚えていない方も多いと思うので、当分の間はあなたも自己紹介をしましょう。
まとめ
介護の仕事は、ご利用者の顔と名前を覚えてから、ようやくいろんな情報が理解できるようになります。
申し送りでも、誰の何のことを言われているのかがわからなければ、配慮をしたり気を付けたりすることもできないので、なるべく早く覚えられるといいですね。
なかなか覚えられない・・・と焦る気持ちもあるかもしれませんが、工夫をしていけば必ず覚えられます。
まずは、覚えよう!と意識することと、ご利用者と積極的に関わっていくことから始めてみてください。