ケアプランを見直したり、新たに作成する時期になると、一生懸命考えてプランを立てるのですが、せっかくプランを立ても日常の中でなかなか実行できないということがあります。
プランだけは立派だけれど、実際のご利用者の生活には反映されていない。
プランを立てて満足。
なんなら監査対策のための書類上だけのケアプランになってしまっている。。。
これではなんの意味もありませんよね?
実際に実行してこそ初めて意味をもちます。
ケアプランを実行できない原因は?
ケアプランを実行できない要因の一つに、はなから実行できそうにないくらい大きなことをプランにあげている場合があります。
頭で考えているときは気持ちが大きくなってしまい、介護職の現状を見極められずに、日課として実行不可能なことをプランとして挙げてしまっている。
この場合はプランの見直しをし、同僚である介護職員の力や協力体制を考慮したうえで、まずは実行しやすいことからプランにあげて始めてみるといいと思います。
ささいなことだけど達成できた!という方が、本人にとっても本人を支えるチームにとっても喜びを感じることができるからです。
この喜びや小さなことの積み重ねが、次の段階に進むステップアップのための原動力になります。
介護職員のスキルアップにもつながりますし、スキルアップすればさらに内容の深いケアプランを実行できるようにもなります。
結果、ご利用者の生活が潤うということになります。
大切なのは、小さなことでもコツコツと!です。
ケアプランを実行できないもう一つの要因は、「時間ができたらやろう」という気持ちで取り組むというところにあります。
「時間ができたらやろう」はウソです。できません。
意識しなければ時間を作ることはできないのです。
なぜできないのかというと、実行するという気持ちがそもそもないからです。
「実行する気持ちがそもそもない」というと、反感を買ってしまうかもしれませんが、たとえ意識上で「できることならやりたい!でも時間がない!」と、もどかしい気持ちをもっていたとしても、無意識上では、必ずやらなければならないほどの必要性を感じていないのです。
「できたらいいなぁ」くらいに思っているので、一向に実現しません。
夢を叶えられる人と叶えられない人の差
ここでちょっと例をあげてみます。
アメリカ行きについて、ある2人の気持ちと行動です。
Aさんの目標
「いつかアメリカに行きたいな~」
⇒なかなか達成しない
一方Bさんは・・・
「何月何日アメリカに行きます」
⇒必ず達成できる
Aさんにとってアメリカ行きは夢だけど、Bさんにとってのアメリカ行きは日常生活の中の通常の出来事(必ず実現する予定)にすぎません。
Bさんは何月何日にアメリカに行くと決めたら、ホテルを予約したり飛行機のチケットをとったり、実際にアメリカに行くための準備を始めます。
でもAさんにとってのアメリカ行きは「行けたらいいな~」くらいの気持ちなので、ホテルを予約することもしないし、チケットをとることもしません。アメリカに行きたいという想いがあったとしても、それはただの憧れでしかないので、実際にアメリカに行くための行動を何もしないのです。
「アメリカに行く」という同じ目的、行動
ある人にとっては、一生のうちで経験できるかどうか、もしかしたら叶わないかもしれない夢。
でもまた別のある人にとっては、日常生活の中に組み込まれている出来事。
いとも簡単に達成できる人となかなか達成できない人の違いは、日常生活の中の予定にその目的(アメリカ行き)を入れているかどうかです。
夢を実現できる人と実現できない人の差は、行動に移せるかどうか、たったこれだけなのです。
で、話は戻して・・・ケアプランを立てたら、その内容を毎日の予定の中に入れる。
どういう状況になったらそれをするとか、何時にそれをするというふうに、具体的に実行する状況を明確にします。
また、外出など他職員の協力が必要な場合は「何月何日に実行します」と周りに宣言して、実際に実行に向けて動く。
そうすれば、プランを立てっぱなしで結局実行できなかった。。。ということも減るのではないかと思います。
日常をより豊かにするケアプラン
ケアプランを実行してみると、ご利用者の変化を感じることができます。
喜んでいただけている表情などを見ると、支えている人たちの方も嬉しくなります。
日々の生活の中で、喜怒哀楽をより深く共有することができ、ただ目先の介助方法をどうするかという視点から、さらに幅広い視点をもち、その方の生活や人生に思いをはせることができるようになります。
そういったことを体験することで、ケアプランを考えることがどんどん楽しくなってきますし、ケアプランを実行することも楽しくなってきます。
これは実際に体験してみて初めて感じることができることなので、まずは実行しやすいこと、叶いやすいことから少しずつやってみてくださいね。