今日から入居施設で介護職員として働くことになったAさん。
介護現場ではいったいどんなことが待ち受けているのでしょうか?
そしてAさんはどのようなことで悩むのでしょうか?
今回のお悩みは【介助編】です。
初日にもう介助!?介助に対する不安
一日も早く介助を覚えて欲しいという思いから、初日にも関わらず新人さんに排泄介助や入浴介助をさせる施設もあります。
私個人的には賛成しませんが・・・。
~トイレでの排泄介助を見学したAさんの感想~
結構大変そう。。。
しっかり立てる人と立てない人がいるけど、急にバランスを崩されたらどうするんだろう?
いつか一人で介助しないといけないんだよね?
怖いな~。私にできるかな。。。
解説
初めてのことだらけでとても驚きますよね。
特に直接人の体に触れる介助に関しては不安も大きいと思います。
介助に対して恐怖感を抱く理由は二つあります。
ひとつは、介護技術が未熟なこと。
もう一つの理由は、介助をさせていただく相手のことをまだよく知らないということです。
(1)介護技術が未熟
これは何度も何度も繰り返し経験することで、上達していくしかないと思います。
初めは比較的立位の取りやすい方から介助させていただくことになると思うので、人の体の動きに慣れていきましょう。
椅子から立ち上がって再び座るという介助、手引き歩行の介助、椅子から車いすへの移乗介助、これらの基本的な動作の介助が安全にできなければ、排泄介助や入浴介助もうまくいきません。
独り立ちをするまでは、先輩職員さんがそばについて指導してくださると思いますので、基本動作の介助をしっかりと覚えましょう。
トイレでの排泄介助ではズボンを下ろしたり上げたり、手際が悪いともたついてしまい、お年寄りさんに長く立っていてもらうのが申し訳ないと感じるかもしれません。
先輩職員さんは手際よく、介助のスピードも速いと思います。
でも、初心者が速さを意識すると、介助が雑になってしまいます。
雑な介助を覚えてしまったら、そのくせが抜けなくなってしまうので、少し時間がかかっても丁寧に介助を行ってください。
動作を体で覚えることができれば、自然と丁寧に早くできるようになりますよ。
一生懸命介助をすれば、ご利用者にも気持ちは伝わるはずです。
(2)相手のことを知らない
恐怖感を感じる二つ目の理由は、介助をさせていただく相手のことを、まだよく知らないということです。
介助をさせていただく相手が、どれだけ力があるのかを知らなければ、介助する側に必要以上に力が入ってしまいます。
特に初めは恐怖感から、必要以上に力を込めて介助してしまうことがあると思います。
そっと支えるだけでいいのか、がっつり力を入れて支えなければいけないのか、バーを持ってどれくらい立っていられるのか、相手の力がわかれば相手を信じることができ、その分、介助する側も楽になります。
また、上着をズボンの中に入れるのか、外に出すのかなど、それぞれのこだわりがあるので、それも知る必要があります。
それらを知ることで、その方に合った支援ができるようになります。
知らないことが多いというのは、とても緊張すると思います。
身体機能などの体の状態だけでなく、その方の性格やこだわりなどを知れば知るほど、介助をするときも気持ちが楽になると思います。
はじめのうちは手際よくできなくて、ご利用者に怒られることもあります。
また、同じ失敗をしても先輩は怒られないのに、新人である自分は怒られてしまうということがあると思います。
理不尽な・・・と思うかもしれませんが、それには信頼関係が大きく影響しています。
気心知れている相手ほど、許してもらえることが多くなります。
失敗しないに越したことはないですが、一日も早くご利用者さんと仲良くなって信頼関係が築けるといいですね。