介護の資格取得には、利用できる助成金や給付制度がたくさんあります。
これから民間の養成講座にお金を払って介護の資格を取りに行こうとお考えの方!
助成金制度を利用しない手はありません。
後で知った時にはもう遅かった・・・と後悔しないためにも、資格取得支援制度についての理解を深めていきましょう。
介護業界は今、人材が不足しています。
それに加えて、高齢者の数は増加の一途をたどるばかり。
さらに、認知症の方も年々増えていきます。
そこで、より介護の資格を取りやすく、介護に携わる人を増やすために、介護の資格には助成金制度が設けられているのです。
介護の資格取得のかかる費用が一部負担してもらえたり、全額免除になる制度があります!
介護の資格にはどのようなものがある?
介護や福祉に関わる資格はたくさんあるのですが、介護の仕事をするために重視されている資格は3つです。
介護職員初任者研修
介護福祉士実務者研修
介護福祉士
介護職員初任者研修は以前のホームヘルパー2級と同じ位置づけにあり、この資格を取ることで、訪問介護員として在宅介護の仕事に従事することができます。もちろん介護施設でも働くことができます。
介護福祉士実務者研修は、実務経験を積んで介護福祉士の資格を取得する際に必須となる資格です。また、この資格を取ることでサービス提供責任者として働くことができます。
初任者研修を受講していなくても、いきなり実務者研修を受講することができるので、初めから実務者研修を受講する方も多くいらっしゃいます。
介護福祉士は介護の国家資格で、この資格を取ることでリーダーや相談員として働くことができます。
介護福祉士を取得するための方法(ルート)
介護の資格の最終的な目標は介護福祉士であるといえます。
ではその介護福祉士は、どうすれば取得することかができるのかを確認しておきましょう。
実際はいくつかの方法があるのですが、今回は簡単に二つだけご紹介します。
※福祉系の高等学校などのルート説明は省きます。
①専門学校等の養成学校へ2年通って、国家試験を経て介護福祉士になる
②介護の実務経験3年とその間に実務者研修を受講し、国家試験を経て介護福祉士になる
(実務経験3年と初任者研修+実務者研修+国家試験で介護福祉士になる場合もあります)
学校に行って介護福祉士を取るか、実務経験を積んで介護福祉士をとるかという違いですね。
以前は実務経験を積んでから介護福祉士を取得する場合は、実務経験3年があれば国家試験を受けることができたのですが、平成29年度の国家試験からは実務経験3年に加えて、実務者研修の受講が介護福祉士の試験を受験するための必須条件となりました。
介護の資格を取るための費用はどれくらい?
介護の仕事をするために資格を取ろうと思うと、いったいどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
実務経験を積んで介護福祉士になるためには、少なくとも実務者研修を受講する必要があります。
また、人によっては、初任者研修+実務者研修を受けられる場合もあると思います。
それぞれの養成機関によって金額は異なりますが、
介護職員初任者研修 約6~8万円
介護福祉士実務者研修 約10~13万円
介護福祉士(受験対策講座を受講した場合) 約2~5万円
一番コストを抑える方法として実務者研修のみを受けた場合でも、10万円前後はかかりますね。
介護福祉士の養成学校(専門学校など)に通う場合は、
入学金 約15~20万円
学費 約60~100万円(一年間)
かなり費用がかかります。
でも、これらの費用が一部、または全額免除になる制度があるのです。
介護の資格を無料または格安で取得する方法がある!?
介護の資格は、無料または格安で取得することができます。
その一つ目の方法は、公的な制度を利用する!です。
でも公的な制度にもいろいろあり、費用を一部負担してくれるものや、全額負担してくれるもの、また、貸し付けをしてくれるものなどがありますので、一つずつご説明させていただきますね。
国が受講に必要な費用を一部負担してくれる制度
教育訓練給付制度(一般教育訓練給付と、専門実践教育訓練と2種類あり)
窓口⇒ハローワーク
講座の受講にかかった費用の一部が給付される(先に全額支払い、申請をすれば後で戻ってくる)制度です。
現在雇用保険の被保険者である、もしくは、以前雇用保険の被保険者だった方が対象です。
一般教育訓練給付
POINT
指定された講座を受講した場合、受講にかかった費用の20%が戻ってくる。
ただし受講費用が高額となる場合は上限あり。給付額が10万を超える場合は、10万円が戻ってくる。
また、給付額が4千円に満たない場合は給付対象とはならない。
専門実践教育訓練
より専門的な知識や技術を要する資格取得を目指した教育訓練
この制度を利用し、専門学校へ行って介護福祉士の資格を取得することができます。
POINT
指定された養成機関で受講した場合、受講費の50% (資格取得等した場合、追加で受講費の20%(合計70%))の支給となります。
支給の上限額は、年間40万円 (資格取得等した場合、年間56万円)となります。
※H30.1.1以降に受講を開始した場合の給付率をご紹介しています。
詳しくはお住いの地域のハローワークにお問い合わせください。
市町村などの自治体が受講に必要な費用を一部負担してくれる制度
自治体の助成金
窓口⇒市区町村
これは自治体ごとの独自の事業なので、市町村によっては、こういった助成金の事業を行っていないところもあります。
主に、介護の入門的な講座である介護職員初任者研修を受講した場合に費用の一部を負担してくれます。
助成金の給付額はそれぞれの自治体で異なり、また、事業の内容も異なります。
資格を取るための助成金の他に、就職に向けてのサポートがあったり、その後一定期間、介護現場で働いた人には、奨励金を交付しているところもあるようです。
詳しくはお住いの市区町村(役所)にお問い合わせください。
国が受講に必要な費用を全額負担してくれる制度
公共職業訓練の離職者訓練
窓口⇒ハローワーク
離職者訓練は、ハローワークに登録した求職者(主に雇用保険受給者)を対象に無料で職業訓練を実施(テキスト代等は実費負担)するものです。
この制度を利用して、初任者研修や実務者研修、介護福祉士の講座を受けることができます。
POINT
原則無料で受講できる。
受講手当(一日500円、最大40日の2万円)や交通費(限度額あり)が支給される。
失業保険手当(失業手当)を受給しながら受講できる。(場合によっては訓練終了まで延長して失業保険手当を受給することができる)。
一定の要件を満たせば、訓練期間中は職業訓練受講給付金(月10万+交通費)が支給される。
詳しくはお住いの地域のハローワークにお問い合わせください。
求職者支援制度
窓口⇒ハローワーク
雇用保険に入っておらず、失業手当を受給できない求職者の方が対象。
職業訓練によるスキルアップを通じて早期の就職を目指すための制度です。
POINT
原則無料で受講できる。
交通費(限度額あり)が支給される。
一定の要件を満たせば、訓練期間中は職業訓練受講給付金(月10万+交通費)が支給される。
詳しくはお住いの地域のハローワークにお問い合わせください。
国と都道府県が受講に必要な費用を貸付してくれる制度
地方公共団体の資格の助成金
窓口⇒各都道府県の社会福祉協議会
こちらの制度は、受講に必要なお金を貸してくれる制度です。
貸付制度ではあるのですが、介護福祉士の資格を取得してから一定期間連続して介護の仕事に従事すると、返還が全額免除になるというものです。
実務者研修の場合は、最大20万円まで貸してもらうことができます。
ですから、これから長く介護の仕事で頑張ろうという方にとっては、実質無料で介護の資格を取得することが可能ということです。
実務者研修や介護福祉士の養成学校にかかる費用の貸付があります(貸付金額に上限あり)。
詳しくはお住いの地域の社会福祉協議会にお問い合わせください。
民間の転職支援サービスを利用して無料で資格を取得する
介護の資格を無料または格安で取得する方法として、二つ目の方法は、介護の転職・就職支援サービスを利用する!です。
職業紹介や派遣事業を行っている会社なのですが、未経験・無資格でも登録ができます。
就職に向けて手厚いサポートを無料で受けることができる上に、資格のない方には資格取得応援制度があり、働きながら資格を取ることができます。
資格取得応援制度があるのは
かいご畑
資格取得応援制度を利用するためには、かいご畑の運営会社(ニッソーネット)の派遣社員として、一定期間働くという条件があります。
もし別の施設に変わる(派遣先を変わる)ことになったとしても、ニッソーネットの派遣社員であることに変わりなければ、一定期間の条件を満たすことができます。
かいご畑公式ホームページへ
なでしこ介護士
こちらは女性のための転職サイトなので、女性しか利用することができません。
仕事とプライベートのバランスを大切にしたい方、子育て中のお母さんや、家庭で親の介護をしている方などにとって働きやすい職場を紹介してくれます。
なでしこ介護士公式ホームページへ
働くことを条件とした資格取得制度なので、資格を取得する期間中の生活費にも困りませんし、実務経験を積みながら無料で(テキスト代はかかりますが)資格を取得できるので、利点が大きいと思います。
派遣で働くことに抵抗を感じている方は、こちらの記事も合わせてお読みください。
介護現場は施設によっていろいろな特色があるので、派遣社員としていろんな施設を経験し、自分に合った施設を見つけてから正社員として腰を落ち着けて働く方が長く続けることができるからです。
ただこういった転職支援サービスは、対象エリアが限られているので、せっかく利用したいと思っても利用できない場合があるというのが残念なところです。
比較的対象エリアが広いのはかいご畑です。
お住いの地域が対象エリアなのかどうか、こちらから問い合わせることができます。
⇒かいご畑の資格取得応援制度はこちら
まとめ
どの制度を利用したとしても、人によってはメリット・デメリットがあると思います。
それぞれ、ライフスタイルや人生設計、目標やモチベーションなどが異なるからです。
どの制度を利用することが自分に合っているのか、必ず窓口で説明を受け、内容をよく理解した上でしっかりと比較検討をしてから選んで活用してみてください。