脱水になると、認知症が進んだような症状が表れることがあります。
脱水にならないようにするためにも、水分はしっかりと摂っていきたいところですが、なかなか水分を摂ろうとしない人もいます。
特に高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、若い時ほど飲まれない方が多いです。
また、お茶を飲むとおしっこが近くなるからと自分で水分を控える方もいらっしゃいます。
どのようにすればしっかりと水分を摂っていただけるのでしょうか?
水分摂取が難しい方への接し方
接し方①
飲みたい雰囲気を作る。
お茶菓子を用意して、みんなでワイワイお話しながらお茶会をする。
お酒を飲まれる方はわかると思いますが、一人でちびちびと飲むよりも、大勢での飲み会の方が飲むペースが速くなったりするものですよね?
楽しい雰囲気を作り、さらにお話をしたり笑ったりすると喉も乾くので、飲み物をよく飲まれます。
また、介護施設であれば、歌の会を開かれることも多いと思います。
歌を歌うと喉が渇くので、歌を歌う機会を作り、その合間合間に飲んでいただくことも効果的です。
大人数でなくても、2~3人集まって歌を歌うということでもいいですし、歌われない方でもそばにいていただき、楽しい雰囲気を感じていただくと、お茶をお出ししたときに気分よく、たくさん飲んでいただけることがあります。
接し方②
飲み物や飲み方を工夫する。
コップでは飲まないけれど、ストローを付けると飲まれる方がいらっしゃいます。
また、パックの牛乳やジュースなら飲むという方もいらっしゃいます。
液体を飲むのが苦手な方には、飲むというよりも食べる感覚で水分をとっていただくこともできます。
例えば、ゼラチンや寒天で固めてゼリーにして食べてもらう。
凍らせてアイスにして食べてもらう。
夏であればかき氷もいいかもしれませんね。
ゼリーは嚥下の難しい方の為だと思いがちですが、嚥下に全く問題のない方でも食べていたくと「プルプルの食感がおいしい」と、とても好評です。
嚥下が難しい方には口の中で形が崩れるくらい柔らかめに固めるのがポイントです。
何のために水分を摂るのか??
「水分は大事!」こういった話を聞くと、水分摂取が介護の目的になってしまうことがあります。
その方の飲みたいタイミングや飲みたいものを無視して、ただただ水分をすすめるといった介護をしてしまうケースがあるのです。
大切のなのはその人の生活。
その人の生活をより良いものにするために水分を摂る。
水分摂取をするためにその人の生活があるわけではありません。
一日どれくらい水分をとったか、数字だけをみて満足している。
今日は水分が「入った」「入っていない」などと、まるで人を箱のように表現してしまったり。。。
飲みたくもない時に「水分は大事だから」と説得して強引に飲ませようとするのは、間違った介護なのではないかと思います。
これでは一体なんのために水分を摂ってもらっているのかがわからなくなりますよね?
少しでも元気でいてもらいたいという思いからのはずなのに、無理に飲ませようとすすめて、結局本人に嫌な思いをさせてしまっているのです。
水分を摂ることは確かにとても大事なこと。
だけど、それが目的となってしまってはいけないと思います。
その人のどんな生活・人生を支えるために健康管理をするのか、水分を摂っていただくのかを考えた上で、本人に関わっていかなくてはなりませんね。
本人が嫌な思いをせずに、自然に水分が摂れるように知恵を出し合って工夫していくことが、介護をする人の役目なのではないかなと思います。